The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

Jun 16 - Jun 18, 2023PACIFICO Yokohama
The Congress of the Japanese Society of Gerodontology
The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

Jun 16 - Jun 18, 2023PACIFICO Yokohama

[SL3]「口からたべること」の臨床倫理

○箕岡 真子1(1. 日本臨床倫理学会 / 箕岡医院)
【略歴】
日本臨床倫理学会総務担当理事 / 箕岡医院院長

【主な研究領域】
終末期医療ケアの倫理・高齢者の介護倫理・認知症ケアの倫理

【主な著書】
抜け殻仮説への挑戦-認知症の人の「自律」の概念を考える-(三省堂書店) エンドオブライフケアの臨床倫理(日総研出版)、「臨床倫理入門」(へるす出版)、摂食嚥下障害の倫理(箕岡真子・藤島一郎共著)、ケースから学ぶ高齢者ケアにおける介護倫理(医歯薬出版)、医療経営士テキスト、生命倫理/医療倫理-医療人としての基礎知識(日本医療企画)、認知症ケアの倫理、事前指示「私の四つのお願い」、わかりやすい倫理、蘇生不要指示のゆくえ―医療者のためのDNARの倫理、正しい「看取りの意思確認」の仕方(以上ワールドプランニング)他
【抄録(Abstract)】
元気は口から- 私たちは「口から食べる」ことに日々喜びを感じています。しかし、残念ながら、脳血管障害や、神経変性疾患、がんの終末期、あるいは認知症の終末期などには、うまく食べることができなくなります。また、それと同時に「自分のことを自分で決めることができない」という自律の障害を来し、倫理的な問題が生じてきます。  
このように食べたり飲んだりできなくなった時に、まず、それは治る病気なのか?あるいは治らない病気なのか?について適切な診断を受ける必要があります。もし、治る可能性があるのであれば、頑張って嚥下リハビリなど適切な医療を受ける必要があるでしょう。医療者も、医療・生活両面から、皆様の「口から食べることを支える」ことになります。  
では、もし、口から食べることが回復不可能であるとわかったときには、私たちはどのようなことを考えればよいのでしょうか? 
本日は5つのケース、①嚥下障害が回復可能だったケース、②一時的な胃ろうで乗り切った脳血管障害のケース、③摂食条件を守らず(死んでも口から食べたい)、誤嚥を繰り返したケース、④妻が「夫は延命治療(経管栄養)を望んでいなかった」と言った脳血管障害(意識障害)のケース、⑤経管栄養に関して家族内で意見の不一致があるケース、を通じて、臨床倫理の基礎的な考え方をお示ししたいと思います。
「たとえ一口でも最後まで口から食べて欲しい」という家族や医療介護者の気持ち、あるいは「食べることを通じて心が通い合う」といった口から食べることの大切さを心に留めながら、これらの問いについて皆様と一緒に考えていきたいと思います。