第47回日本股関節学会学術集会

第47回日本股関節学会学術集会

Oct 23 - Nov 30, 2020
第47回日本股関節学会学術集会

第47回日本股関節学会学術集会

Oct 23 - Nov 30, 2020

[1-1-PL]Hip surgery in the age of COVID-19

Akihiro Sudo(Dept. of Orthop. Surg., Mie University Graduate School of Medicine)
2019年12月末に中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症は、現在もその流行が世界中に広がっている。2020年8月23日時点で、日本国内では累計感染者数が60,000人、死亡者数が1,100人を超えている一方、全世界では累計感染者数が2,300万人、死亡者数が80万人を超えてなお増加し続けている。医療現場は本感染症により多大な影響を受けているが、股関節手術も例外ではない。予定されていた手術の延期やPCR陽性患者に対する緊急手術など状況は様々であろう。今回の会長講演は「COVID-19時代における股関節手術」と題して、今年発表された関連論文をreviewしてみたい。主に大腿骨近位部骨折に関する論文とTHAなどの待機手術に関する論文に二分されていた。大腿骨近位部骨折に関しては、Covid-19陽性患者では陰性患者と比較して、死亡率が有意に高い、入院期間が長い、周術期合併症発生頻度が高い、人工呼吸器使用率が高い、集中治療室入室の頻度が高いなど、予後不良であるとの報告が多く見られた。予後関連因子に関しては、Covid-19陽性それ自体が単独で予後不良因子である、喫煙者あるいは3つ以上の合併症保有者は予後不良であるという報告が見られた。他には、Covid-19感染による疲労と衰弱によって転倒が引き起こされる可能性、静脈血栓塞栓症の危険性について述べた報告も見られた。待機手術に関しては、待てる手術と待てない手術をトリアージする必要性や、インプラント周囲骨折、大腿骨近位部骨折に対する手術、感染性人工関節に対する手術は感染流行時でも行うべき手術であるという報告が見られた。実際、米国において毎週30,000件のprimary THA・TKA、3,000件のrevision THA・TKAがキャンセルされているという試算や医業の中止を余儀なくされたケースが報告されていた。一方、患者は、ロックダウン中に身体活動が減少したにも拘わらずVASおよびWOMACスコアが有意に悪化し、Covid-19感染についての不安感を持っているものの可及的早期に手術を受けたいと希望しているという報告も見られた。待機手術を受けるすべての患者はPCR検査によってスクリーニングされるべきであり、感染が判明した患者は待機手術を受けるべきではないとする報告も見られた。本講演では最新の論文も含めて概説する。