[1-1-SY2-1]Significance and measures to prevent hip fracture from viewpoint of sarcopenia and frailty
○Shinjiro Takata(Department of Orthopedics and Rehabilitation, Tokushima National Hospital, National Hospital Organization)
【目的】 我が国は、超高齢社会の真っ只中にある。大腿骨近位部骨折は、加齢性運動器外傷である。その発生件数が、増加の一途をたどる所以である。大腿骨近位部骨折は、患者の日常生活活動を障害するにとどまらない。その生命の質まで劣化させる。この度の講演は、大腿骨近位部骨折を回避するための運動療法として阿波踊り体操とロボットリハを紹介し、その治療効果の概要を提示するものである。【方法と成績】 『阿波踊り体操』は、平成18年度厚生労働科研と平成21年度老人健康増進等事業の一環で、本院と医療法人徳寿会鴨島病院により開発された。阿波踊り体操-ロコモ編-は、平成24年度日本運動器学会学術プロジェクトの中で、本体操が地域在住高齢者のロコモ予防と運動機能改善に有効であることを明らかにした。下肢・体幹の筋力低下や疼痛を有する患者では、体重の影響を減じて立位・歩行訓練を実施する必要がある。本院では、免荷機能付き歩行器と懸垂機能付きトレッドミルを用いて立位・歩行訓練を実施している。筋力低下が著しい患者では、CYBERDYNE社製ロボットスーツHAL下肢タイプと本田技研工業株式会社Honda歩行アシストを用いた『ロボットリハ』を行っている。その治療効果は、歩容、歩行速度、立位・歩行バランスの改善と体幹・下肢筋力の増加であった。【考察と結論】 大腿骨近位部骨折を回避する要諦は、骨強度増加と転倒予防である。いずれも薬物療法と運動療法が有効である。薬物療法と運動療法の併用は、相加的かつ相乗的に大腿骨近位部骨折を予防する。サルコペニアやフレイルでは、骨強度低下や易転倒状態に陥る。それゆえ、これらを予防するための運動療法は、大腿骨近位部骨折の回避策となる。私共の阿波踊り体操とロボットリハは高齢者の転倒予防にとどまらず、その神経機能や心肺機能の改善まで実現すると確信している。