第47回日本股関節学会学術集会

第47回日本股関節学会学術集会

Oct 23 - Nov 30, 2020
第47回日本股関節学会学術集会

第47回日本股関節学会学術集会

Oct 23 - Nov 30, 2020

[1-1-SY2-3]Treatment of osteoporosis for the prevention of hip fracture in the era age of 100 years of life

Hiroshi Hagino1,2(1.School of Health Science)
2020年のわが国における大腿骨近位部骨折の新規患者は年間22万例と予想される。その後も患者数は増加が続き、2040年には年間32万例でピークに達すると予測され、このうち90歳以上の例が40%以上を占める。2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きるとされ、人生100年時代に向けた骨折予防戦略が求められている。わが国のガイドラインで椎体骨折予防効果の評価がグレードAの薬剤は、窒素含有ビスホスホネート(BP)、抗ランクル抗体(デノスマブ)、選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)、副甲状腺ホルモン(PTH)、新規活性型ビタミンD3(エルデカルシトール)(ELD)である。抗スクレロスチン抗体(ロモソズマブ)はガイドラインでの評価と同じ基準で評価すると、椎体骨折予防効果の評価がグレードAとなると考えられる。したがって、骨粗鬆症治療薬のうち、これらの6種類の薬剤が骨粗鬆症に対する第一選択薬となる。大腿骨近位部骨折の抑制効果はBPのアレンドロン酸、リセドロン酸の他、デノスマブがガイドラインでグレードAの評価である。ゾレドロン酸とロモソズマブでも大腿骨近位部骨折の抑制効果が臨床試験で示されている。大腿骨近位部骨折の予防のための薬物療法では治療対象の骨折リスクに応じた薬剤選択が必要である。さらに薬剤の休薬や中断への対応を考慮した治療戦略が求められる。骨折リスクは年齢、骨密度、既存骨折の3つに大きく規定される。転倒は大腿骨近位部骨折では椎体骨折に比較して骨折リスクへの関与が大きい。また大腿骨近位部骨折の発生は85歳以降に急激に上昇する。したがってこれらの背景を考慮して薬剤を選択し、治療目標、逐次投与、休薬についても計画しておく。本シンポジウムでは大腿骨近位部骨折予防を目的とした骨粗鬆症治療に関する現時点でのコンセンサスを提示する。