[1-1-SY3-2]The validity of ultrasound examinations in infant hip screening
○Reiko Murakami1, Maki Takahashi2, Keiko Eimori3, Masafumi Honma4, Hiroshi Kitahara5, Shin Watanabe6(1.Div. of Orthop. Surg., Niigata Univ. Graduate School of Medicine and Dental Sciences)
新潟市では2002年4月から生後3,4か月児全員を対象に整形外科医による超音波診断を用いた股関節スクリーニングを集団検診で行っている。超音波像はGraf法を用い、担当医の目視でタイプ1以外を要精査と判断し、補助診断として視診と触診も行う。要精査児は後日指定された医療機関で2次検診を行い、確定診断をうける。その結果は医療機関から新潟市保健所に郵送され、集計されている。現在は年間約100回の検診を6名の整形外科医で分担し、1回あたり数十名のスクリーニングを1~2時間かけて行っている。超音波診断を1次検診で用いることによる最大のメリットは、股関節脱臼の歩行開始後脱臼診断例を皆無にできることである。渉猟しえた範囲では本法開始後、新潟市では歩行開始後脱臼診断例が発生していない。現在一次健診推奨項目を用いたスクリーニングが標準化されつつあるが、同様の方法を用いても歩行開始後診断例が生じることが過去に報告されており、限界があることが分かっている。本法は超音波像という他覚的所見に基づいているため、Graf法のstandard planeを描出し、正常股か否かの読影ができれば、股関節脱臼を見逃す可能性は皆無と考えている。また、もう一つの大きなメリットは受診料が2800円かかるにもかかわらず90%以上の検診受診率を維持していることにもあると考えている。少子化の影響もあるとは思うが、妊婦健診を通して母親が超音波検査に慣れ親しんでおり被曝せずに診断できるという安心感も受診率の高さにつながっていると考えている。本邦における股関節脱臼発生率は0.1~0.3%と報告されているが、新潟市ではそれに比し0.05%程度と低い。年間約5000~6000例の超音波像を用いたスクリーニングに基づく値であることから、比較的正確な本市の脱臼発生率を把握できることもメリットと言えるだろう。