第47回日本股関節学会学術集会

第47回日本股関節学会学術集会

Oct 23 - Nov 30, 2020
第47回日本股関節学会学術集会

第47回日本股関節学会学術集会

Oct 23 - Nov 30, 2020

[1-1-SY3-3]Ultrasound screening of acetabular dysplasia for schoolchildren

Kotaro Hoshino, Tankashi Nakadera(West Shimane Medical & Welfare Center)
本邦の寛骨臼形成不全(以下AD)の有病率は、乳児4-5%、成人13.9%(ROAD研究)と報告され、乳児期ADは3歳までに90%が改善するため、両者には大きなmissing linkが存在している。この病態解明を目的として小学生に超音波股関節検診を行った。【方法(日整超会誌2018;30:190-195)立位でエコープローブ(リニア型)を大転子直上に外側から当て、冠状断走査による骨性臼蓋縁から骨頭のはみだし距離Lateral Head Distance(LHD)を測定するTerjesen法を用いた。プローブ傾斜による測定誤差が大きいため水平器を装着して精度を担保した。検査に要する時間は1人あたり2-3分である。LHD異常は予備研究から、1・2年生>6mm、3・4・5年生・6年女子>7mm、6年男子>8mmとし、該当者は受診のうえX線検査とした。X線によるADの診断は6-9歳CE<15度、10-12歳CE<20°とした。【対象】本検診に理解を得た小学校3校の689人を対象に希望アンケートを行い、保護者の希望のあった573人(83.2%)1146股関節を対象とした。【結果】エコー異常例は228人(39.8%)、うちX線検査実施例は147人で、ADを49人64関節に認めた。感度91.0%、特異度36.1%、陽性的中率33.3%であった。乳児期の股関節脱臼例はゼロであり、家族歴(股脱・THA)は49人にあったが、うちADであったのは4人のみであった。【結論】本法により乳児期股関節脱臼のない小学生の8.6%に潜在性ADを検出した。未受診例でも同率でADが存在すると仮定すると13.4%の有病率と算出され、ROAD研究の有病率と同等となる。乳児期に問題のなかった股関節から成長期にADを発生している可能性が示唆された。成人ADが極度に多い本邦(白人は2%)においてADの発生機序の解明および成長期のスクリーニングは急務と考える。被曝なく学校への超音波機器持ち込みによる本検診は有用と考える。