[1-1-SY4-3]Conservative treatment for Perthes disease
○Naoyuki Nakamura(Dept. of Orthop. Surg., Kanagawa Children's Medical Center.)
ペルテス病に対する保存治療に関しては、近年、欧米からの投稿がほとんど無いのが実情である。演者は2017年に日本小児整形外科学会からTraveling Fellowを拝領し、併演される神谷先生の仲立ちで北米のTexas Scottish Lite Hospitalを訪れた。かの施設はJA. Herring, H. Kimを筆頭としたペルテス病治療及び研究の北米いや世界の総本山であることはいうまでもないが、そこで日本式の肢体不自由児施設を利用した完全免荷、長期入所治療の話をすると、一様に「Crazy!」と言われた。北米を中心として、世界では低年齢ペルテス病は、基本的に「Supervised Neglect」がFirst lineとなっている。しかし、その一方で、彼らのペルテス病外来を2週間ほど見学させていただいたが、少なくともこれまで自身17年の小児整形外科人生の中で、全く見たことがないような低年齢ペルテス病の末路をかなりの数見た。保険制度の違いもあるだろうが、医療コストをかけずに8割が良好(Stulberg 3型以上)な成績を得られることを評価する文化との差異を感じた。一方、我々は一時期、全てのペルテス病に対して完全免荷の保存治療のみを選択していた時期があり、それでも十分良好と言える成績を得ていた。しかし、年長児の入所期間は2年を超え、児童生活環境の個室化、学習機会の多角化が進む時代とそぐわなくなっていった。また、長期入所を耐えても、年長児の骨頭形態の回復には限界があり、Stulberg 3型に持って行くのが精一杯な症例も少なくなかった。結果、われわれは年長児重症圧壊例に対しては2003年より渥美らのRotational Open Wedge Osteotomyを取り入れざるを得なかった。ROWO導入による入院期間と最終成績の改善は過去に報告済みである。ペルテス病の保存治療には、先進的な面白味はないかもしれないが、依然として、標準的でニーズのある治療ではあることは間違いない。本演題において、その概略を振り返る。