[1-1-SY4-5]A new therapeutic strategy for Perthes disease by targeting interleukin-6 and osteoimmunology
○Nobuhiro Kamiya1,2, Gen Kuroyanagi3(1.Tenri University, Sports Medicine)
【背景】著者らはぺルテス病患者股関節に滑膜炎と関節液貯留が存在することをMRI検査により同定した(Kamiya 2015 JBMR)。関節液中の炎症性起因物質(サイトカイン等)を網羅的に解析しインターロイキン6(IL-6)が唯一優位に上昇することを世界で初めて報告した。IL-6タンパクの産生組織として関節液に接する関節軟骨の関与が大きいことを同定した(Yamaguchi & Kamiya 2016 JBJS)。マウスにおける骨壊死誘導手技を開発し(Kamiya 2015 CORR)、IL-6の骨壊死病態への促進的効果を報告した(Kuroyanagi & Kamiya 2018 Bone)。すなわち、IL-6遺伝子欠損マウスに骨壊死を誘導したところ野生型の対照群と比べ骨量が有意に増加した。骨代謝においてIL-6は骨形成を抑制し、骨吸収を促進する作用を有するとされる。ぺルテス病におけるIL-6の異常な上昇はぺルテス病の臨床所見(骨吸収促進による軟骨下骨折を起こす)に合致する。【目的】骨免疫学の観点から生物学製剤を用いたぺルテス病の新規治療薬の開発を目的とした。抗IL-6受容体中和抗体(トシリズマブ)によるIL-6を介する炎症経路の抑制がぺルテス病の病態進行の改善に役立ち軟骨下骨折や骨頭圧壊を予防するという仮説を検証した。【方法】トシリズマブを骨壊死誘導後3日目から若年期(6週令ネズミ)に全身性に投与開始し、その有効性を12週齢で検証した。【結果】トシリズマブ投与群は対照群(生理食塩水投与)と比べ骨壊死後の骨量が有意に増加し、それとともに骨頭変形の程度が減少した。このメカニズムとしてIL-6シグナルの抑制により、関節軟骨の代謝が虚血下で活発化し軟骨合成遺伝子Sox9の発現が増加した(Kamiya 2019 Osteoarthritis Cartilage)。【考察】IL-6を介する炎症経路を遮断することが骨壊死後の組織修復を促進すると考えられる。本研究はぺルテス病に対し骨免疫学の観点から有効な新規治療法を確立できる可能性を示唆している。