[1-1-SY5-3]Total hip arthroplasty for femoral neck fractures
○Tomonori Baba, Kazuo Kaneko, Yasuhiro Homma, Taiji Watari, Sammy Banno, Yuta Jinnai, Hiroki Tanabe, Seiya Ishii(Dept. of Orthop., Juntendo Univ.)
大腿骨頚部骨折は高齢者に多く、整形外科医が日常的に遭遇する外傷の一つである。転位型大腿骨頚部骨折に対する人工股関節置換術には、人工骨頭置換術(hemiarthroplasty: HA)または人工股関節全置換術(total hip arthroplasty: THA)が選択される。THAは、HAと比べて、患者満足度が高く、疼痛軽減や機能回復の観点で優れているという多数の報告がある。活動性が高い症例にはTHAが推奨されているが、低い脱臼率や手術手技の簡易さなどからHAが選択されているのが現状である。本邦では、4人に1人以上がすでに65歳以上の高齢者であり、健康寿命の延伸とともに高いQOLが獲得できるTHAの需要はますます増加すると考えられる。しかしながら、本骨折に対するTHAは術後脱臼の懸念や手術手技の煩雑さがあるのも事実である。脱臼の原因には1) 手術手技因子、2) 患者因子、3) インプラント因子等が複合的に関与する。その解決策として我々は骨接合術と同様に牽引台と透視を使用し、前方アプローチ(手術手技因子)でTHAを施行している。前方アプローチは筋力の弱い高齢者(患者因子)に対して筋間進入という利点を活かし、その効果を存分に発揮することが期待できる。インプラント因子の1つとして、大径骨頭による脱臼率の軽減が報告されてきた。しかしながら、大径骨頭には、ポリエチレンインサート非薄化、金属イオン発生等に起因したfailureのリスクがあり、その使用は限定的になってきている。一方、Dual Mobility Cupは1970年代にフランスで開発され、head/neck ratio及びjumping distanceの増大による脱臼予防効果が明らかになっている。我々は2009年より本骨折に対して前方アプローチを導入し、2013年より本邦で使用可能になったDual Mobility Cupによる THAを行っている。本術式で治療した患者が早期に受傷前と同等のADLに戻り、人工股関節が入っていることすら忘れてしまうことが我々の目標である。