[1-2-SL]Rehabilitation medicine for hip surgeons
○Toshikazu Kubo(The Japanese Association of Rehabilitation Medicine)
リハビリテーションという言葉が医学的に使用され始めたのは、約100年前の第一次世界大戦のころである。膨大な数の戦傷者の社会復帰が大きな課題となり、米国の陸軍病院にphysical reconstruction and rehabilitationというdivisionが設けられたのが最初の事例であるとされている。rehabilitationは医学的治療と並行して進めるものであるという位置付けであったが、第二次世界大戦でさらにその有用性が認められ、1949年、米国でAmerican board of physical medicine and rehabilitationとして重要な診療科となった。日本にリハビリテーションという概念が導入されたのは1950年代で、1963年に日本リハビリテーション医学会が設立された。日本ではphysical medicine and rehabilitationがリハビリテーション医学として総括された。歴史的に整形外科学はリハビリテーション医学・医療と密接な関係を持っている。中でも股関節疾患に関しては、その治療にリハビリテーション医学・医療が大きな役割を果たしてきている。日本リハビリテーション医学会では2017年度から、リハビリテーション医学について新しい定義をあげている。ヒトの営みの基本である「活動」に着目し、「人々の活動を育む医学」がリハビリテーション医学であるとしている。急性期・回復期・生活期を通して、活動の自然経過(natural course)を読み解いていく。これがリハビリテーション診断である。そして、その活動の自然経過を適切な方策を組み合せて最善の方向に導くのがリハビリテーション治療である。さらに、リハビリテーション治療と相まって、環境調整や社会的支援の有効利用などを行っていくのがリハビリテーション支援である。リハビリテーション医療では、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科医、看護師、薬剤師、管理栄養士、公認心理師/臨床心理士、社会福祉士/医療ソーシャルワーカー、介護支援専門員/ケアマネジャー、介護福祉士などがチームを形成し実践しているのが特徴であり、関連専門職の役割が大きくなっている。リハビリテーション医療のニーズが高まっている現在、股関節を専門とする整形外科医もリハビリテーション医学・医療の最新の情報に注意を払う必要がある。