[1-4-EL1-1]Chiari pelvic osteotomy for acetabular dysplasia as joint preserving procedure
○Takahiro Okawa(Dept. Orthop. and Joint Surg., Kurume Univ. Med. Centre)
【目的】寛骨臼(臼蓋)形成不全にともなう股関節症に対する関節温存手術として様々な骨切り術の術式が選択肢としてあげられる。今回、われわれが行ってきたChiari骨盤骨切り術(以下、Chiari手術)の特徴と留意点について述べる。【他術式と比較した寛骨臼側骨切り術としてのChiari手術の特徴】Chiari手術の特徴は、被覆した海綿骨部分の新臼蓋と遠位骨片(骨頭)の間に介在する関節包の軟骨化生により関節の安定化が期待できる、また外方化あるいは亜脱臼した骨頭への応力が軽減される効果(Chiari効果)が力学的な利点となり得る。【適応および術式の変遷と考え方】1) 進行期・末期例においてはChiari手術単独施行例では成績は不良であり、大腿骨外反骨切り術を併用(Chiari外反)することで良好な成績が得られるようになった。骨頭変形例や関節不適合例については、前・初期例では他の骨切り術に比べると単独での適応は広いが、多くの場合、大腿骨側の骨切り術を併用することで成績は向上する。2) 骨切りの高さは、決して低すぎないように注意し、切離した大転子の再固定にも留意する。当初推奨していた、低すぎる位置での骨切り、大転子の引き下げすぎる固定を行うことは、成績を不良にする因子となる。3) Chiari単独手術およびChiari外反手術に関する検討において、円形に近い骨頭の症例や臼蓋の骨硬化像に乏しいいわゆるatrophic typeでは成績不良であり注意が必要である。骨頭の上方へのmigrationを予防する目的で臼蓋部に骨移植術や、進行期・末期の症例でhamstringsの緊張を強く認める症例に対して坐骨結節部でのhamstrings切離術の併用も考慮する。過去の術式のコンセプトによる成績に基づいて、改良および変遷を経たChiari手術による関節温存手術の成績をふまえて論ずる。