[2-1-SY6-2]Low back pain in patients with hip osteoarthritis
○Tadatshugu Morimoto, Motoki Sonohata, Shunsuke Kawano, Shuichi Eto, Masaya Ueno, Masaaki Mawatari(Dept. of Orthop. Surg., Saga Univ.)
【目的】変形性股関節(HOA)も変性腰椎疾患も加齢とともに増加し、しばしば併発、両疾患とも腰下肢痛、歩行障害を訴えるため誤診例は稀ではない。股関節疾患の腰下肢痛の特徴を明らかにすることは誤診予防に寄与すると考え、当科の過去の報告をまとめて報告する。【報告1】HOA患者の自記式問診票の主訴の記載の31%は腰痛やあしが痛いなど股関節病変以外を想起させる記載である。主訴の把握不足や先入観が誤診の一因となりうる。【報告2】HOA患者の腰痛頻度(入院前一ヶ月間の有訴率)は57%で、程度はVAS(10点満点)で平均3,股関節痛を10とした場合では平均4.6であったが、12%が股関節痛と同等以上の腰痛を自覚していた。患者患者に腰痛部位を指で示してもらうと、腰部(肋骨弓から腸骨稜の間)53%、殿部(腸骨稜から殿溝の間)36%、腰殿部(腰部と殿部の両者を含む領域)11%であった。股関節疾患由来の殿部痛を患者も医療者も腰痛と捉える可能性がある。【報告3】HOA患者の領域別疼痛頻度は鼡径部67%、大転子周囲61%、殿部54%、膝以下7%、疼痛誘発テスト(圧痛やパトリックテストなど)を行うと、各々、87%、69%、64%と上昇した。HAOでは鼡径部痛の感度が高いが、一方で7%の患者が膝以下の放散痛を訴えており腰椎疾患の誤診の一因となりうる。【考察・結論】腰下肢痛の診断では、鑑別疾患で股関節疾患を念頭におき、患者の主訴を医学用語に翻訳して自覚的疼痛部位の確認を行い、疼痛誘発テストでの疼痛部位を再度確認することで股関節疾患の見逃しを防げる可能性が高まる。