[2-1-SY7-4]What is the best functional analysis for musculoskeletal tumor surgery around the hip joint?
○Fumihiko Nakatani, Shintaro Iwata, Eisuke Kobayashi, Akira Kawai(National Cancer Center Hospital)
整形外科の門をたたいてすぐの研修医時代に「一つとして同じ手術はない」と指導を受け、早や四半世紀が経過した。その後縁あって骨軟部腫瘍患者さんの治療に携わるようになり、日々手術を行う中で、この領域ほど先の言葉が胸にストンと落ちる分野はないと感じるようになった。すなわち変性疾患や骨折などの手術治療では、患者さんの社会的背景、解剖学的特徴の違い、使用する手術および手術支援機器、リハビリ介入の方法などによる違いがあるのに対し、骨軟部腫瘍では腫瘍の臨床病理学的特徴、周術期化学療法の奏効性、腫瘍の進展範囲によって切除そのものを行うべき部位や範囲が大きく異なり、まさにテーラーメイド手術そのものと言っても過言ではない。 股関節周囲の骨軟部腫瘍手術に関しても、たとえば大腿骨近位部の原発性悪性骨腫瘍において、その腫瘍の進展範囲によっては大腿骨全置換術が必要となる場合があるし、股関節内への浸潤が疑われれば股関節包外切除の適応となる。さらにはもっと絞って、腫瘍用人工骨頭による大腿骨近位部置換術を施行する場合でも、中殿筋、大殿筋、腸腰筋、大内転筋などの切除の有無やその範囲の違いで術後の軟部バランスは大きく異なり、このような手術を行った患者さんの機能予後を一律に検討する事は容易ではない。ましてやその評価基準が国際的に認知されているMSTSスコアやTESSスコアなどでは定量的評価や客観的評価に限界があり、真の評価を行う困難を感じている。 本発表では骨軟部腫瘍領域における機能評価について、その問題点と限界を共有した上で、あらたな評価方法開発への取り組みを提示する。さらには、機能評価の最終的な目的である「骨軟部腫瘍患者さんやその御家族の役に立つ」ため行っている生活環境や社会システムに対する提案や活動について合わせて紹介したい。