[2-4-EL6]Clinical Application of Artificial Intelligence and Its Impact on Hip Surgery
○Masaki Takao1, Yoshito Otake2, Keisuke Uemura2, Hidetoshi Hamada1, Wataru Ando3, Yoshinobu Sato2, Nobuhiko Sugano3(1.Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medicine, Osaka Univ.)
人工知能(AI)の医療への応用範囲は、疾患診断、予後予測、発症リスク評価、治療法選択と幅広い。その中でも、X線画像、CT/MRI画像、病理標本、眼底写真、皮膚写真などの画像診断への応用が多く、疾患としては悪性腫瘍を対象にしたものが多い。現在用いられているアルゴリズムは視神経システム を模倣したConvolutional Neural Networkが主流である。AIの応用研究は指数関数的に増えている一方で、実臨床における活用はまだこれからという状況である。米国食品医薬品局(FDA)は2017年7月に、医療用ソフトウエアの承認プロセスを刷新し、AIを用いた医療診断ソフトウエアが商品化を推し進める方針をしめした。それ以降AI医療機器のFDA承認が増えている。本邦ではAI医療機器は、医薬品医療機器等法(薬機法)で「医療機器プログラム」として審査・承認がなされる。現在の2つシステムが承認されている。整形外科領域ではAIの臨床応用の報告はまだ少ないが。骨折診断、脊椎・脊髄病変検出、膝靭帯損傷診断、骨・軟骨・筋肉の画像抽出、予後予測、関節症診断、骨年齢評価、歩行解析、穿刺部位検出、骨粗鬆症診断や骨折リスク評価、バイオメカニクス研究などでその応用が試みられている。股関節外科では大腿骨頚部骨折の自動診断や大腿骨頭壊死症診断、Delayed Gadolinium-enhanced MRIでの軟骨自動抽出、CT/MRIでの筋骨格自動抽出などが報告されている。AIの医療への応用は、ハイプサイクルにおいて、流行期(過剰期待の段階)を昇りつつある段階とされる。今後一般化していくうえで、多様性ある臨床現場での実用性の検証や、AI特有のブラックボックス問題の解決、審査機関での承認プロセスの迅速化、アップデートの効率化が問題とされている。AIの診療での活用が、医療者の業務軽減やミスの回避、患者の診療の最適化、さらには医療費の抑制に貢献できるか、これからが正念場といえる。