第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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Jun 11 - Jul 31, 2022北九州国際会議場/アジアインポートマートAIM
Japan Academy of Critical Care Nursing
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[W1-08]ICUに勤務する看護師の患者の尊厳を守るための看護実践に関する研究

○浦山 いづみ1、山澄 直美2(1. 長崎みなとメディカルセンター、2. 長崎県立大学)
【目的】
ICUに勤務する看護師が患者の尊厳を守るために行っている看護実践の内容を明らかにし、ICUにおいて患者の尊厳を守るために看護管理者が取り組むべき課題を考察する。
【方法】
ICUに勤務するICU経験年数3年以上かつ、臨床経験年数5年以上の看護師に対し質問紙を用いてデータを収集した。質問紙は、ICUに勤務する看護師が業務を行っている中で「患者の尊厳が傷ついた(傷つけられそうになった)」と感じた場面とその場面において患者の尊厳を守るために行っている看護実践の具体的内容を問う自由回答式質問と、個人特性(年齢,性別,看護師経験年数,ICU経験年数,倫理研修受講の有無等)を問う選択回答式質問および実数記入式質問により構成した。データの分析は、Berelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いた。本研究は、長崎県立大学一般研究倫理委員会の承認を得た上で実施した。質問紙は無記名とし、返送により研究参加に同意が得られたものとした。
【結果】
回収した質問紙のうち有効回答257を分析した。その結果、ICUに勤務する看護師が行っている看護実践の内容を表す42カテゴリが形成された。42カテゴリとは、【1.患者の意思を尊重した治療や看護の提供に向けて看護師・医師・多職種と話し合う】【2.意識レベル・年齢・緊急性に関わらず患者が治療・援助の内容や自身の状況を理解できるよう必要な内容を説明する】【3.患者を見守る時間と人員を確保し可能な限り身体抑制を回避し、やむを得ず実施する場合には時間を最小限に抑える】などであった(表1)。
【考察】
ICUに勤務する看護師は、患者の尊厳を守るために家族や医師、同僚に働きかけ、尊厳の毀損の状況を最小限に抑える等の看護の基本的な援助を行っていた。また、どのような状況であっても患者を尊重し、「患者にとって何が必要か」という視点に基づいた看護の実践が患者の尊厳を守るために必要であることを示唆した。ICUの看護管理者は、42種類の看護実践の内容を、自身が管理する看護単位の看護師が患者の尊厳を守るために必要な看護の理解に向けて活用し、尊厳を守る文化を醸成していく必要がある。
【結論】
ICUに勤務する看護師が患者の尊厳を守るために行っている看護実践の内容42種類は、意思決定にかかわる看護実践、身体抑制にかかわる看護実践、プライバシーの保護にかかわる看護実践、医療者による尊厳の毀損に対する看護実践、患者の安楽を保持するための看護実践、チームとして患者の尊厳を守りながら治療や看護を提供するための看護実践という特徴を持つことを示唆した。
W1-08