The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 13 - Sep 16, 2021Tohoku University
The Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science
The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 129th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 13 - Sep 16, 2021Tohoku University

[PSY2-04]ウシ反芻胃における幹細胞探索の試みと組織発達における役割

*Yutaka Suzuki1(1. Hokkaido University)
ウシの栄養獲得の要である反芻胃は、出生直後は機能形態的に未発達であるが、離乳から成長期にかけて急激に発達するという特徴をもつ。反芻胃の発達には、その内部で次第に増加する短鎖脂肪酸が主要なトリガー因子として働くことが知られている。しかし、短鎖脂肪酸の標的細胞や作用機序は未解明の部分が多く、発達機序の解明の妨げとなっていた。
 一般に動物組織の発達過程では、組織幹細胞が細胞供給源として重要な役割を持つことが知られている。反芻胃上皮と同様に重層扁平上皮である食道上皮では、基底層に組織幹細胞が存在し、組織の機能形態を担う分化細胞を供給する。組織構造の類似性から、反芻胃組織においても同様に幹細胞様の未分化細胞群の存在が予想される。
 本研究では、反芻胃の発達を促す固形飼料の給与を開始していない離乳前の子牛と、哺乳が終わり固形飼料を摂取している離乳後の子牛をモデルとして用いて一連の検討を行った。結果として組織幹細胞と予想される細胞群を見出だし、現在は細胞分裂機序を中心にその性状の解析を行っている。本講演ではこれらの知見を紹介するとともに、反芻胃組織発達への関与性について論じたい。