The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 18 - Sep 21, 2023Obihiro University
The Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science
The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 18 - Sep 21, 2023Obihiro University

[LS]子豚飼料へのスミフローラTMの利用

*古城 寛1(1. 住友化学株式会社アニマルニュートリション事業部)
昨今,薬剤耐性菌出現リスクへの懸念から飼料への抗菌剤利用を低減する社会要請が世界的に高まっており,抗菌剤に頼らずに家畜の腸内健康を保ち,育成成績を維持・改善することが産業上の大きな課題となっています.離乳子豚は飼料の切り替えや飼養環境の変化といったストレスを受け,斃死の増加やその後の育成に悪影響を及ぼすリスクを孕んでいることから,この時期に健全な腸内環境を維持することは特に重要と考えられています.スミフローラ™(飼料添加物の名称:グルコン酸ナトリウム)は,天然に存在する有機酸の一種であるグルコン酸のナトリウム塩であり,吸収・分解されずに下部消化管に到達し,プレバイオティクス(有用菌の栄養源)として機能します.これまでの研究から,腸内の乳酸菌や酪酸菌に選択的に利用され,酪酸生成を増加することが知られています.酪酸は腸管上皮細胞の主要なエネルギー源であることから,スミフローラ™の給与を通じて子豚の腸内健康を維持し,健全な栄養素の吸収とバリア機能に寄与することが期待されます.また,スミフローラ™のプレバイオティス効果を通じて腸内健康を保つことにより,育成成績の向上も期待できます.過去に実施された子豚哺乳(離乳)期および育成期における計6回の飼養試験の結果,スミフローラ™を飼料に0.1%~1.0%の範囲で添加することにより,増体および飼料要求率の改善効果が見られました.費用対効果を考慮すると,特に0.25%~0.5%の添加が推奨され,メタアナリシスの結果,無添加対照区に対し,7-11%の増体向上および4-6%の飼料要求率改善が観察されました.本セミナーでは,スミフローラ™の特性およびプレバイオティクス効果を通じた子豚の腸内健康と生産性の改善についてご紹介します.