The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 18 - Sep 21, 2023Obihiro University
The Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science
The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Sep 18 - Sep 21, 2023Obihiro University

[YGLS-02]地方小規模大学だからできること・やるべきこと

*Chiho Kawashima1(1. Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine)
 演者の所属する帯広畜産大学の男女共同参画推進室は2016年度に発足され、演者はその時から室員となり、2019年度から室長、2022年度から小樽商科大学・北見工業大学との経営統合により北海道国立大学機構に設置されたダイバーシティ推進委員会に合わせて名称変更され、ダイバーシティ推進室となり、現在は機構の委員会メンバー・本学のダイバーシティ推進室長・本学のダイバーシティ推進担当学長補佐を務めています。多くの大学では、ダイバーシティ業務は理事や副学長、社会学の教授や専任で採用された教員が務めていることが多く、全く専門外(演者の専門は家畜栄養・繁殖学、畜産フィールド科学センターの専任教員で、週の4~7割授業しています)の准教授が務めることは異例で、どの会議でも最初は代理出席だと勘違いされています。なぜこの仕事をしている(させられている)のか…理由を確認したことはないのですが、おそらく本学最初の産休・育休取得者だったからだと思います。
 「ダイバーシティ」という言葉は、すでに世の中に浸透しており、耳にする機会が増えましたが、意味が広すぎて、演者は逆に良くわからなくなっています。最近では「広く言えばダイバーシティ」と都合よく使われ、なんだか仕事が増えているような…。本当に広く言えば何でもダイバーシティなのですが、大学・研究機関のダイバーシティ推進評価は、女性教員・研究者さらにはその上位職・管理職を増やすことに特化されています。しかし、中堅以上の世代はもうどうにもならないくらい偏っているので、牌の取り合いになっているだけでは?と、ちょっとモヤモヤしてしまいます。現在の少ない女性教員・研究者へのサポートは重要ですが、性別問わずライフイベントはやってくるので、みんながストレス少なく働ける環境を作ることが重要であり、目先の数値に捉われず、数年先の改善を目指した根本的な対策を考えた方が良いと思っています。
 今回は、2019年度に北海道大学が代表機関、本学を含む5つの大学・企業が共同実施機関で採択された北海道の女性研究者交流・育成を中心としたJST事業と2022年度に本学が採択された地方・小規模単科大学の女性・若手教員採用・育成を中心としたJST事業の紹介や、なぜ今ダイバーシティとしつこく言われる世の中になったのか、一つの事例として演者の経験を若手研究者に向けてお伝えしたいと思います。
 豚丼につられて来た方にも食事の邪魔にならない程度のお話しにしたいと思いますので、帯広の豚丼を味わいにぜひお越しください。

【略歴】
帯広畜産大学畜産学研究科畜産環境科学専攻修士課程修了
民間企業(食品会社)で就労
帯広畜産大学21世紀COE研究員
岩手大学大学院連合農学研究科にて学位取得(農学:論文博士)
帯広畜産大学ポスドク研究員
帯広畜産大学畜産フィールド科学センター 助教→講師→准教授(現職)