The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Jul 6 - Jul 8, 2016TOKYO DOME HOTEL
Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Jul 6 - Jul 8, 2016TOKYO DOME HOTEL

[I-S03-02]小児心不全患者における血管拡張薬の使い方

栗嶋 クララ, 先崎 秀明(埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器部門)
心不全の治療を考える上で、5W-1Hは非常に重要であり、血管拡張剤の使用に関しても然りである。一般に、心不全患者における血管拡張剤は、心不全の進展において生体の防御反応として活性化されるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系や交感神経系によって絞まった末梢動脈を拡張させ、後負荷軽減による心拍出量増大と組織還流改善を想定する。しかしながら、血管の収縮の場所、程度、そしてその分布は患者さん個々によって異なり、さらに病態、病状により時々刻々変わりうる。また、血管拡張剤に対する反応は、想定する対象血管の状態のみならず、血管拡張剤の薬理対象Cascadeの活性具合や、薬理対象とは無関係であるような心室機能によっても大きく変わりうる。したがって、これら多くの生体変数に関し、十分に検索、検査、想定したうえで、血管拡張剤の種類、量、投与法、使用時期、投与対象、を選択し使用することにより血管拡張剤の効果を最大限に享受しうるし、そうでない場合、逆に思わぬ低血圧や臓器障害をもたらしうる。
また、薬物のみならず、非薬物療法によっても血管機能改善や血管拡張効果を得ることができる可能性も考慮することが、心不全における血管拡張療法の幅を広げ、より質の高い治療に結びつけることができる可能性がある。
本シンポジウムでは上記血管拡張剤使用に際する考察ポイントを討論したい。