The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Jul 6 - Jul 8, 2016TOKYO DOME HOTEL
Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Jul 6 - Jul 8, 2016TOKYO DOME HOTEL

[PL-01]研究と倫理

小川 俊一(日本医科大学)
 2014年度に大学や研究機関から文科省に対して不正と報告された研究は12件であり、分野別では医学・生命科学系が7件と大半を占めていた。この様に、最近の本邦における医学・生命科学の分野での研究の不正行為は目を覆うばかりであり、我が国の基礎・臨床研究に対する国際的評価、信用性は失墜しつつあることが危惧されている。小児循環器領域においてもこの問題は決して他人事ではなく、研究を行う上で倫理の重要性をもっと認識すべきと考える。
自らが経験した研究を行う上での倫理的問題を基に、研究を遂行する上での倫理の重要性を考えてみたい。まず、動物実験における倫理の問題であるが、欧米では実験動物の福祉に関する3原則(苦痛軽減、削除、置換)が確立している。日本においても1973年に動物保護に関する法律「動物の保護及び管理に関する法律」が制定され、2005年に改正され、動物実験を行う際にこの基準を遵守することが求められている。次に、人を対象とした研究における倫理の問題であるが、現在大変大きな問題を抱えている。臨床研究における対象者への倫理的配慮、侵襲的検査・治療を施行する上での倫理、臨床試験および調査研究における倫理的問題点、並びに遺伝・遺伝子研究における倫理などの重要性につき十分に認識しておく必要がある。更に、基礎・臨床研究終了後の倫理的配慮も大変重要である。これには研究データの取り扱い、研究成果の共有や発表における倫理の問題が含まれる。特に現在大きな問題となっているのが結果の発表の際の捏造(Fabrication)、改ざん(Falsification)、盗用(Plagiarism)である。さらに、研究対象者個人への結果の通知においても高い倫理性が求められる。特にinformed consentが取れない年齢の子供達が成長した後の、研究対象個人への結果の通知については現在の所、consensusは得られておらず今後検討が必要である。最後に医学研究の信頼性と利益相反の問題につても言及したい。この講演を通して基礎および臨床研究を行う上での倫理の重要性につき会員一同と共有したいと考える。