The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Nov 22 - Nov 24, 2020Online
Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Nov 22 - Nov 24, 2020Online

[II-LL02]先天性心疾患学“曼荼羅”

中澤 誠(総合南東北病院 小児・生涯心臓疾患研究所)
先天性心疾患(CHD)が本人家族に与えるインパクトは極めて大きい。初診対応する我々は、その大きさを理解し患者側の求めに応える力が必要である。では、その求めは何か?応える力とは何か?私なりの考えを皆様とシェアしてみたい。
先天性心疾患学は大きく二つの面を持つ。一つはhard面でCHDの医学・医術の習得、他は“ヒト”に関連するsoft面で、ヒト対ヒトの医療には必須である。
Hard面はCHDの診断治療における知識と技術で、それにはEMAPT【Etiology, Morphogenesis, Anatomy, Physiology, Treatment(=元来はSurgeryでEMAPS)】アプローチが基本で、各分野では発生学や循環生理学など学問がCHDの枠を超えて横断的に広がる。更に先天性心疾患学では「発生、発達、成長、再生、老化」のlife cycleの医学知識が必要である。
Soft面では、患者家族が各発達生育段階において遭遇する精神心理的・社会的問題などを理解する必要がある。そのために、対話術、カウンセリング技術、発達精神心理学、社会学、言語学、人生哲学、死生観などの基礎知識・技能が求められる。これらの分野では多くの専門職が関わることになるが、患者家族にとっては当初から関わってきたpediatric cardiologistが大きな支えである。それゆえ我々自身のこれらの分野での素養が求められる。
タイトルにある「曼荼羅」とは、密教の経典に基づいて主尊(大日如来)を中心に諸仏諸尊が集会する楼閣を模式的に描き、壮大な仏の世界像を示したものと言われ、この世界像を読み取ることによって、人は自分の存在についての深い理解に達することが出来る、とされている。先天性心疾患学も、心臓を中心に周囲にそれを深める諸知識を表すと、あたかも“曼荼羅”様である。我々一人一人が夫々の“曼荼羅”を作り上げていけば、ヒポクラテスの「医にして哲を兼るは神なり」に近づけ、患者家族の求めを理解し、それに応えられるようになるのではないか。