The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Jul 21 - Jul 23, 2022Sapporo Convention Center
Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Jul 21 - Jul 23, 2022Sapporo Convention Center

[I-SY03-02]大学病院における働き方改革の問題点

沼野 藤人1,2, 山岸 正明1, 岩本 眞理1, 佐藤 誠一1, 猪飼 秋夫1, 小田 晋一郎1, 栗嶋 クララ1(1.日本小児循環器学会 働き方改革委員会, 2.新潟大学医歯学総合病院小児科)
2024年4月より医師の時間外労働の上限規制が適用されることとなり、大学病院で勤務する医師にもこれまでより厳格な労務管理がされる。大学病院は診療機関であるほか、教育機関、研究機関としての役割を担う必要があり、従事する医師には「診療」「教育」「研究」の3業務が求められている。しかし「診療」以外の業務時間も求められることから、3業務をこなすために時間外労働時間が多くなることがまず問題点として挙げられる。これらの対策としてはワークシェア・専従スタッフの雇用など個人の業務量を減らすことが現実的であるが、面積の広い地方では医療機関の集約化なしにはこのような対策は取れず、取り組むべき課題は多い。また、大学病院は地域医療を担う医師を確保している施設でもあり、大学医師は関連施設での診療業務を行うことが多い。しかし主たる施設での診療でなければ、時間内であっても時間外労働に加算しなくてはならず、これも時間外労働時間が増える要因にもなっている。さらに当院では正規医師の場合(専門業務型)裁量労働制が取られており、これは働き方改革におけるいわゆるA~C水準に当てはまらず、時間外労働時間の上限は労使協定に基づく700時間/年とA水準の960時間/年よりも少ない。上限が少ないことも問題であるが、裁量労働制における時間外労働時間の認定も特殊であり、時間外労働時間を計算する上での課題である。以上の(1)教育研究機関としての役割、(2)地域医療への貢献、(3)裁量労働制、という当院が働き方改革で取り組むべき問題点について述べる。