The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Jul 21 - Jul 23, 2022Sapporo Convention Center
Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Jul 21 - Jul 23, 2022Sapporo Convention Center

[I-SY04-03]成人循環器科医が考える先天性心疾患患者の緩和医療

福田 旭伸(神戸大学 医学部 循環器内科)
先天性心疾患患者は、生涯を通じて継続的な医療と支援を必要とする。そして、この生涯医療の行きつく先には誰もが共通に訪れる終末期があるため、生涯医療の実践において終末期医療を避けることはできない。とりわけ、先天性心疾患診療が発展した現在においても先天性心疾患患者の多くは心疾患を起因とする終末期を迎えることが知られている。小生は先天性心疾患患者の移行を受け入れる側にある成人循環器内科医である。生涯医療の一環として移行医療があり、小児循環器医が実践してきた生涯を見据えた医療を引き継ぐ立場にある。言い換えると、出生後から小児循環器医と患者・ご家族で歩んできた人生計画の中で、その途中から支援をする立場にある。その人生計画の中には、社会生活、就労、結婚、妊娠出産など個々の価値観、人生観の中で多くの難しい選択があり、我々医療者はその個々の判断を医学的な観点から支援することになるが、不確定要素が強いなかその先にある終末期を想定しながら慎重な対応が迫られることが多い。先天性心疾患診療において未熟な小生であるが、成人先天性心疾患診療に深く関わる立場から、患者のQOLの向上を重点におくコンセプトである緩和医療を考察し、本セッションで皆様と議論させていただきたい。