[25-06]Influence of humic acid on the absorption of nutrient metal ions to barely
〇西谷 一樹1、長澤 賢弥1、王 斌輝1、福嶋 正巳1、一條 利治2、稲場 徹2(1. 北海道大学大学院、2. 電気化学工業株式会社)
司会:里美 知昭(東北大学)
土壌有機物中のフミン酸(HA)はFeなど栄養金属元素と錯形成し、それらの植物への吸収量に大きな影響を及ぼすと言われている。一般に、HAを含む土壌改良剤は、植物の生長に効果的であると言われているが、植物への栄養金属元素の取り込みに及ぼす影響は十分に検討されていない。本研究では、オオムギの水耕栽培において、堆肥、亜炭(アズミン)、泥炭由来のHAを添加し、培養液中の栄養金属の吸収に及ぼす影響を検討した。各種HAの添加により、オオムギ根中のFeの吸収量は培養液のみの対照区に比べて大きく減少した。Feと各種HAの錯形成が実験的に確かめられたため、HAとの錯形成がFeの吸収を抑制したと考えられる。Feなど栄養金属の施用は植物の生育に対して有用と考えられるが、Feの吸収量が減少したにも関わらず、亜炭、泥炭由来のHAを添加した場合、オオムギのバイオマス量は対照区と変わらなかった。さらに、堆肥由来のHAの添加は、バイオマス量の有意な増加を示した。ゆえに、栄養金属の吸収量の減少はオオムギの生長に対して大きな影響を及ぼさなかったが、添加するHAの起源や構造が生長に関与すると考えた。
