MMIJ 2014,Kumamoto

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Sep 15 - Sep 17, 2014Kumamoto University
MMIJ Annual Meeting
MMIJ 2014,Kumamoto

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Sep 15 - Sep 17, 2014Kumamoto University

[A5-3]地球内部の熱エネルギーと阿蘇,久住地域の地熱活動

磯部博志(熊本大学大学院自然科学研究科)
司会:當舎利行(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
地球内部は,46億年前に地球が出来たときの加熱,及び天然に存在する放射性元素の崩壊熱によって,今でも高温を保っている。このため,平均的には地球内部に向かって深さ100mあたり約2.5℃の割合で温度が上がっていく。この温度勾配によって地球表面に向かってゆっくりと流れる熱エネルギーは,地殻熱流量として知られている。その量は,地球全体の平均で1m2あたり0.1W以下である。
地球内部から地表に運ばれる熱エネルギーは,岩石を均等に伝わるものだけではない。時として,高温のマグマが地下から地表に噴出し,巨大な熱エネルギーを運搬する。これが,火山活動が放出するエネルギーである。マグマだけではなく,熱水などによる噴気活動や,高温の火山性ガスも局所的に熱エネルギーを地表に運ぶ。 地球では,活発にマグマが活動する場は限られており,日本列島はまさにそのような場に相当する。なかでも,九州中央部では特に盛んな火山活動が存在していると言える。本講演では,このような地球科学的背景に基づいて,阿蘇や久住地域における火山活動の特徴と,熱水,噴気活動及びこれらに伴って起こる現象と地熱との関係について紹介する。