[A6-9]既存インフラを最大限利用したCCSの構想
○大隅多加志1, 志田原巧2(1.東海大学理学部化学科, 2.株式会社ニュージェック)
司会:末包哲也(東京工業大学)
低炭素社会の構築のための新規所要設備量は大きい。太陽光パネルや風力発電施設などでは、再生可能エネルギー賦存の密度が小さいためである。CCSでは、大型火力発電設備に隣接する回収プラントのほかに液化/圧縮設備やパイプラインないし液炭輸送船、貯留サイトの立地点によっては多数になることも想定される圧入井群や、今後の課題とされるモニタリング設備など、新規設備が多数にのぼる。ところで化石燃料のうち多数小規模分散需要家を抱えるLPGについては、国内では余剰をもつ石灰鉱業インフラを活用して中和剤を供給して個別のCO2発生点での中和廃棄が安価に可能である。また廃棄物である炭酸水素イオンの輸送についても下水道が活用できる。これは「CCSが風化作用である」という本質に根ざした「自然に優しい」CCSである。
