MMIJ 2015,Matsuyama

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Sep 8 - Sep 10, 2015Ehime University
MMIJ Annual Meeting
MMIJ 2015,Matsuyama

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Sep 8 - Sep 10, 2015Ehime University

[1304]Taxonomic Problems and Prospects in Environmental Impact Assessment linked to Ocean Mining

福島朋彦1(1.国立研究開発法人海洋研究開発機構)
司会:山崎哲生(大阪府立大学)
海底鉱物資源開発が海洋環境に及ぼす影響を適切に評価するための手法が求められている。しかし自然環境への影響評価は、ヒトの健康リスク評価とは異なり、エンドポイントが明確ではないことや閾値が存在しないことなど評価軸の設定が困難であるため、乗り越えるべき多種多様な課題がある。特に生態系の保全、影響の最小化などの環境政策が掲げる目標を実際の現場作業に反映させるには、いくつかの仮定、前提条件あるいは言葉の読み替えを行いながら、対象海域に生息する生物群集の個体数、種類数、希少種、固有種、典型種、優占種あるいはキーストーン種などを指標に、開発の影響を評価することになる。しかし本稿が対象とする海底鉱物資源が賦存する深海については、開発が始まろうとする今日においてなお、分類・同定の人材が不足している憂慮せざるを得ない状況にある。これは筆者の知る限り、20年以上前から声高に訴えられていた課題であり、この問題の解決が容易でならざることを示唆している。だからといって、環境影響評価の人材が不足していること理由に、海底資源の開発を待つことなどは考えられず、何らかの対応策が急務である。