Annual Meeting of the Japanese Society of Applied Entomology and Zoology

フリージア栽培では地下部へのネダニ類の寄生による生育不良や枯死、寄生球根を定植することによるネダニ類汚染ほ場の拡大が問題となっており、球根とほ場における有効な防除法が求められている。しかし、ネダニ類を対象としてフリージアの球根消毒に使用できる登録農薬がないことから、温湯浸漬や高温処理といった物理的防除法の効果や、農薬の登録拡大に向けてネダニ類に対する薬剤感受性検定で効果のあった化学農薬のフリージアに対する防除効果を検討した。また、休閑期である夏場の高温を利用した太陽熱土壌消毒を行い、土壌中のネダニ類に対する防除効果を検証した。その結果、球根消毒については47℃30分温湯浸漬で補正死虫率100％となり、45℃6時間の高温処理、ホスチアゼート液剤500倍の浸漬処理で同90％以上であった。また、47℃10分の温湯浸漬、40℃16時間及び24時間、45℃3時間の高温処理、DTMP乳剤2000倍の浸漬処理で同70％以上であった。また、太陽熱土壌消毒を行うことにより、土壌中のネダニ類密度が低下し、球根のネダニによる被害が約5割軽減することができた。