[212]市街地における⽔害対策推進上のボトルネックは何か
○中野 卓1、木内 望2、竹谷 修一1(1. 建築研究所、2. 国土技術政策総合研究所)
キーワード:
建築形態規制、土地利用規制、浸水リスク、流域治水
水災害の頻発化・激甚化を契機に、水害対策に係る法制度の整備が近年急速に進んでいる。一方で、都市計画に着目すると、浸水リスクのある地域に多くの既成市街地が立地しており、建築・都市計画に係る各種規制内で水害対策を行うことが困難であるため、対策の進展が遅い。そこで本稿は、市街地における水害対策の加速化に向けた課題を広く共有することを目的に、市街地の水害対策推進上のボトルネックを整理・考察した。また、整理の結果を踏まえ、特に複数の観点に跨る市街地における水害対策推進上のボトルネックとして「既存の価値観と水害対策の対立」「市区町村を超える地域間の調整」「定量的な判断基準の整備」「分野間の水害対策の分担」の4つを上げ、それぞれの課題解決に向けた道筋について総括的に議論した。
