[1-1-SY1-2]THA、骨切り術後のリハビリテーション診療の要点
○神野 哲也1,2, 品田 良太1, 橘 哲也1, 宮武 和正1,2, 高田 亮平1,2, 平尾 昌之3, 瀬川 裕子2, 長束 由里1, 星野 ちさと3, 酒井 朋子3(1.獨協医科大学 埼玉医療センター 第二整形外科, 2.東京医科歯科大学医学部附属病院 整形外科, 3.東京医科歯科大学 医学部附属病院 リハビリテーション科)
人工股関節全置換術(THA)の術後リハビリテーション(リハ)治療は、関節機能や歩行能力の回復に有用であることが示されており、わが国の変形性股関節症診療ガイドラインでもGrade Bで推奨されている。しかしながら、具体的な計画・方法は必ずしもエビデンスに基づいているとは言えない。わが国ではTHAの平均在院日数は19日程度にまで短くなっているが、退院後のリハ治療は自宅、外来、回復期病棟など様々な場で継続されており、これらの適応や有用性の差も明らかではなく、解明すべき課題として残っている。 周術期リハ診療において留意すべき点として各種合併症対策があり、THAでは脱臼、骨折、静脈血栓塞栓症(VTE)、神経麻痺等が挙げられる。脱臼においては動作制限の内容や要否が問題となるが、前方系進入や大径骨頭により習慣的に行われてきた各種の制限は不要とされつつある。VTE対策からも早期荷重リハが推奨されるが、致死性肺塞栓症は急性期リハ治療中に発症することも多いことから常に留意すべき合併症である。一方、THAで術中骨折を生じた場合や再置換術、そして骨切り術における術後リハ治療においては、荷重や関節運動の制限を考慮する必要がある。骨切り術においては、THAに比し長い入院期間や休職期間といった社会的条件から選択されない場合があることから、リハ早期化の意義があり、骨切り部固定方法の工夫などによりリハの早期化が可能となるが、荷重伝達の変化から疲労骨折が生じることもあり、注意を要する。