第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

2022年6月11日〜7月31日北九州国際会議場/アジアインポートマートAIM
一般社団法人日本クリティカルケア看護学会
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2022年6月11日〜7月31日北九州国際会議場/アジアインポートマートAIM

[W1-09]救急外来で自殺企図患者を看護する看護師の態度に関連する要因についての文献検討

○伊藤 美智子1、牧野 夏子2(1. 名古屋学芸大学看護学部、2. 札幌医科大学附属病院 看護部)

キーワード:

救急外来、自殺企図患者

【目的】救急外来に来院する患者の中には、自殺企図の結果として受傷し、搬送される患者もいる。そうした患者に対し、看護師は過度な肯定や否定を示す態度をとらず、適切な支援を提供する役割があるとされる。しかし、態度とは考えやふるまいであり、様々な要因によって影響されると考える。そこで、救急外来で自殺企図患者を看護する看護師の態度に関連する要因を文献検討により明らかにすることとした。
【方法】医学中央雑誌Web版とPubmedを用いて検索した。医学中央雑誌Web 版では期間は定めず「救急」、「看護」、「自殺」or「自傷」、「態度」をキーワードとし看護文献、原著論文を条件として検索した(最終検索:2021 年12月28 日)。Pubmedでは、同じく期間を定めず、「Emergency room」or「Emergency department」、「Nurse」、「suicide」or「self-harm」、「attitude」をキーワードとして検索した(最終検索:2021年12月28日)。論文言語は英文及び和文とし、抄録が掲載されているものとした。該当した論文から、救急外来で自殺企図患者を看護する看護師の態度に関連する要因が記述されているものを抽出し、検討した。倫理的配慮として公表されている文献のみを対象とし著作権に留意した。
【結果】検索した結果、医学中央雑誌Web版で20件、Pubmedで154件が該当した。その中で、救急外来の看護師のみを調査の対象とし、自殺企図患者に対する看護師の態度に関連する要因を明らかにしたものを精査した結果、和文5件、英文4件となった。これら9件を対象文献として、救急外来に勤務する看護師の自殺企図患者に対する看護師の態度に関連する要因について検討した。対象となった論文は、すべて量的研究であった。結果、「年齢」と「経験年数」がそれぞれ3件で最も多かった。次いで「自傷患者に関する教育」が2件であった。その他、「宗教」「過去に看護した自傷患者の数」「コーピング」「看護師の精神健康度」「自殺危険度アセスメントツールの有無」「精神科医からの支援」「身近に自傷した者の有無」「身近に自殺した者の有無」などがあり、それぞれ1件であった。調査した項目で看護師の自殺企図患者への態度と有意な関連がなかったとした文献は2件であった。
【考察】救急外来で自殺企図患者を看護師する看護師の態度に関連する要因として、年齢や経験年数が関連するとした研究が最も多かった。これは、自殺企図患者に接する機会の増加やその中での看護の成功体験などの影響と考える。さらに、年齢を重ねることで、看護師としての経験だけでなく個人として身近に自傷や自殺などに触れる機会や、自殺企図患者への向き合い方を考える機会などの経験が個人的要因としてあると推察される。また、自傷患者に関する教育については、その内容は明らかにされていなかったが、基礎教育と関連があったとしている文献もあることから、教育的要因も考えられる。他にも、看護師の精神健康度とも関連していたことや職場の支援環境とも関連していたことから、救急外来で自殺企図患者を看護する看護師の態度に関連する要因には、属性の要因、個人要因、教育要因、環境要因があると考えられる。
【結論】自殺企図患者を看護する救急外来の看護師の態度に影響する要因として属性要因、個人要因、教育要因、環境要因があった。これらから、救急外来で自殺企図患者を看護する看護師への支援として、教育と環境に焦点を当てて支援していくことが必要であると考えた。