一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

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2021年9月15日〜9月19日オンライン開催
日本鉱物科学会年会
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[R3-03]マントル遷移層~下部マントル条件下で安定な高圧含水鉱物におけるAlの影響「発表賞エントリー」

*太田 明緒1、井上 徹1、野田 昌道4、柿澤 翔1、川添 貴章1、佐藤 友子1、新名 亨2、入舩 徹男2、坂本 直哉3、圦本 尚義3(1. 広島大・院先進理工、2. 愛媛大・GRC、3. 北海道大・院理、4. 広島大・院理)

キーワード:

含水相、マントル遷移層、カップリング置換、含水量、下部マントル

水(H2O)は地球表層に大量に存在する主要な揮発成分の一つであり、スラブの沈み込みによって常に地球内部へ供給され、鉱物の物性や溶融温度に大きな影響を与えている。マントルの主要構成鉱物はolivineであり、その高圧相であるwadsleyite (Wd)及びringwoodite (Rw)には2-3wt%もの水が含まれ得ることが実験的に明らかにされ、マントル遷移層は水の貯蔵庫となり得ることが指摘されている(Inoue et al., 1995)。近年ダイヤモンド包有物中に含水Rwが発見され(Pearson et al., 2014)、マントル遷移層は少なくとも局所的には含水化していることが示され、地球内部の水の議論は活発化してきている。一方、沈み込むプレート物質中でMg、Fe、Si に次いで多く存在する元素はAlであり、Alの価数は奇数(Al3+) であるため、H+とのカップリング置換により鉱物中の含水量を増加させる可能性がある。ただし、Al置換の影響は結晶構造の違いにより異なることが予想される。そこで、各種高圧含水鉱物におけるAl置換様式の違いについて明らかにするため、実験的研究を行った。