[2-A-1-01]生成AI・DXの概要と日本の取るべき方向性
*松尾 豊1(1. 東京大学大学院 工学系研究科)
本講演では、生成AIの技術的進展とそれによるデジタルトランスフォーメーション(DX)への影響を概説した上で、今後日本が取るべき方向性について論じる。
まず、現在世界的に注目されている生成AIについて概括する。2010年代に第3次AIブームを迎え、機械学習やディープラーニングと呼ばれる技術の開発が急速に進展した。さらに近年ではこれらの技術を基盤に、大規模言語モデル(LLM)等を用いることで高い言語処理能力を備えた生成AIが登場し、音声・画像・動画等も高速かつ高品質で生成可能な、マルチモーダルなアプリケーションも生まれてきた。Chat GPT等の生成AIツールは社内事務、プログラミング等幅広い業務に用いられ、DXを牽引する重要技術となっている。生成AIの活用で、デジタル化を通じた組織変化の加速や、従来のペースを超える圧倒的な成長が実現すると期待される。
続いて、生成AI分野における日本のポジションを確認する。デジタル分野では概して日本は世界に後れを取ってきたが、生成AI分野では、政府が開発・利用促進に向けた投資やリスクに対応した法整備を機敏に進め、厳しい競争環境でも最善手を打てている。またAI受容度が高いこと、人手不足ゆえにAIによるDXの余地が大きいこと等から日本はグローバルに注目され、様々なチャンスがある。
最後に、このような環境で日本の存在感を高めるための施策を取り上げる。例えば東南アジアと連携したLLM開発等の海外展開、ロボットをはじめとした産業へのAI活用の加速、デジタルリテラシーの向上やAI人材育成、AIスタートアップの起業支援、地域企業のDX支援等が重要施策として挙げられる。医療分野でも、政府がデータ利活用を通じた生産性向上やケアの質的向上を目指す「医療DX」に注力する中、個人情報の多い医療データを国内で安全に管理でき、日本の医療制度に対応した、日本発の医療LLMの開発が強く求められる。これらの施策について、松尾研究室での取り組みも踏まえながら多角的に論じる。
まず、現在世界的に注目されている生成AIについて概括する。2010年代に第3次AIブームを迎え、機械学習やディープラーニングと呼ばれる技術の開発が急速に進展した。さらに近年ではこれらの技術を基盤に、大規模言語モデル(LLM)等を用いることで高い言語処理能力を備えた生成AIが登場し、音声・画像・動画等も高速かつ高品質で生成可能な、マルチモーダルなアプリケーションも生まれてきた。Chat GPT等の生成AIツールは社内事務、プログラミング等幅広い業務に用いられ、DXを牽引する重要技術となっている。生成AIの活用で、デジタル化を通じた組織変化の加速や、従来のペースを超える圧倒的な成長が実現すると期待される。
続いて、生成AI分野における日本のポジションを確認する。デジタル分野では概して日本は世界に後れを取ってきたが、生成AI分野では、政府が開発・利用促進に向けた投資やリスクに対応した法整備を機敏に進め、厳しい競争環境でも最善手を打てている。またAI受容度が高いこと、人手不足ゆえにAIによるDXの余地が大きいこと等から日本はグローバルに注目され、様々なチャンスがある。
最後に、このような環境で日本の存在感を高めるための施策を取り上げる。例えば東南アジアと連携したLLM開発等の海外展開、ロボットをはじめとした産業へのAI活用の加速、デジタルリテラシーの向上やAI人材育成、AIスタートアップの起業支援、地域企業のDX支援等が重要施策として挙げられる。医療分野でも、政府がデータ利活用を通じた生産性向上やケアの質的向上を目指す「医療DX」に注力する中、個人情報の多い医療データを国内で安全に管理でき、日本の医療制度に対応した、日本発の医療LLMの開発が強く求められる。これらの施策について、松尾研究室での取り組みも踏まえながら多角的に論じる。
