第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

2024年11月21日〜11月24日福岡国際会議場・福岡サンパレス
医療情報学連合大会
第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

2024年11月21日〜11月24日福岡国際会議場・福岡サンパレス

[2-A-2-01]デジタルの潮流とSIP3統合ヘルスケア

*喜連川 優1,2(1. 大学共同利用機関法人 情報システム研究機構、2. 東京大学)
チューリング賞50周年の際の受賞者はティムバーナーズリーであった。ウェブなるメディア創出への貢献が讃えられた。人類の生活に大きな変革を与えた。インターネット、ウェブ、検索エンジンで沸き立った時代を経て、超巨大な新しい応用を支えるために利用された巨大なデジタルインフラを積極的に活用することにより、深層学習が出現した。加えて、時期を同じくして、ビッグデータが謳われた。データとAIが両輪となり走り抜けたこの10年間、それらを支えるクラウド基盤の進化の時代とも言える。近年、生成AIが圧倒的なインパクトを与える時代になった。数兆トークンが必要なLLMもデータを渇望するという構図は変わらない。AI, データ、デジタル基盤が主要なコンポーネントとなる。巨大な計算基盤とストレージ基盤が必須となり小生が学生のころのスケールの小さいIT研究とは様変わりした。一方で不変なこともある。最も重要なことの一つは、アプリケーション領域の研究者との密な連携である。デジタルの潮流から現在を見据え、失われた30年を繰り返すことの無いように次に向けて何をすべきかを皆で考える必要がある。

【略歴】
1983年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。データ工学の研究に従事。東京大学地球観測データ統融合連携研究機構長(2010-2013年)、国立情報学研究所所長(2013-2022年)などを経て、2023年より情報・システム研究機構機構長。
また2021年より東京大学特別教授、2023年より東大デジタルオブザーバトリ研究推進機構長。情報処理学会会長(2013-2014年)、日本学術会議情報学委員会委員長(2014-2016年)などを務める。ACM SIGMODエドガー・F・コッド革新賞(2009年)、情報処理学会功績賞(2010年)、全国発明表彰「21世紀発明賞」(2015年)、C&C賞(2015年)、IEEE Innovation in Societal Infrastructure Award(2020年)、電子情報通信学会功績賞(2019年)、日本学士院賞(2020年)などを受賞。紫綬褒章(2013年)、レジオン・ドヌール勲章(2016年)を受章。ACMフェロー、IEEEライフフェロー、中国コンピュータ学会栄誉会員、電子情報通信学会名誉員、情報処理学会名誉会員。
2023年より内閣府第三期SIP「統合型ヘルスケアシステムの構築」サブプログラムディレクター。