[3-A-1-03]緊急時のワクチン・治療薬のRCTと治療効果判定の迅速化体制について
*磯 博康1(1. 国立国際医療研究センター グローバルヘルス政策研究センター)
緊急時のワクチン・治療薬の臨床研究(RCT)を早期(数週間から1か月以内)に立ち上げるには、国内発生期:FF100や感染発生早期において、詳細な医療情報が国立健康危機管理研究機構(JIHS)に即座に集約できるコンセンサスと体制構築が必須となる。そのため、医療情報を提供する医療機関と連携協定を結び、研究に関する倫理審査(あるいはプロトタイプ)を事前に倫理承認を通しておき、緊急時に感染症名や医薬品名等を追加して1日~数日で承認に結び付けるように準備をしておく。研究参加の同意に際しては、e-consent、dynamic consentの仕組みを最大限利用する。医療機関の候補としては、6国立高度専門医療研究センター、15臨床研究中核病院、46国立大学病院、感染症指定医療機関(4特定、56第一種)、JCHO病院・センター等が挙げられる。
次に、感染症発症者への治療効果判定のRCTを迅速に行うには、パンデミックの状況で治験を医療機関で実施するのは困難な場合を想定して、ホテルなどの療養施設や自宅において患者をリクルートすることも必要となる。その際、分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trial:DCT)の体制整備が必要となる。治験中の電子カルテと治験ワークシートの標準化、EDCのベンダーを越えた標準的な連携、PHR、ePRO、オンライン診療システムの標準化等が現在研究班等で検討されている。さらに、パンデミック早期以降において、感染症患者の人数、重症度、検査、処方等の全国的な分布のサーベイランスを行う際には(時間的には数週間から数か月のラグタイムが生じる可能性があるが)、NDB(匿名)や詳細な医療情報(3文書、6情報)(顕名)等の活用が期待される。
次に、感染症発症者への治療効果判定のRCTを迅速に行うには、パンデミックの状況で治験を医療機関で実施するのは困難な場合を想定して、ホテルなどの療養施設や自宅において患者をリクルートすることも必要となる。その際、分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trial:DCT)の体制整備が必要となる。治験中の電子カルテと治験ワークシートの標準化、EDCのベンダーを越えた標準的な連携、PHR、ePRO、オンライン診療システムの標準化等が現在研究班等で検討されている。さらに、パンデミック早期以降において、感染症患者の人数、重症度、検査、処方等の全国的な分布のサーベイランスを行う際には(時間的には数週間から数か月のラグタイムが生じる可能性があるが)、NDB(匿名)や詳細な医療情報(3文書、6情報)(顕名)等の活用が期待される。
