第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

2024年11月21日〜11月24日福岡国際会議場・福岡サンパレス
医療情報学連合大会
第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

2024年11月21日〜11月24日福岡国際会議場・福岡サンパレス

[3-A-4-02]医療DX令和ビジョン2030に向けた電子カルテシステムのデザイン戦略 - Good Design Award 2023 受賞までの軌跡 -

*高山 和也1(1. 富士通Japan株式会社)
厚生労働省は、「医療DX令和ビジョン2030」において、全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化及び標準型電子カルテの開発、診療報酬改定DXという3つの取り組みを進めています。2030年までに電子カルテの100%導入を目指しており、全ての医療機関で電子カルテ情報が共有できるよう、取り組みを進めています。400床以上の大規模病院では約90%まで普及していますが、200床未満の中小病院および診療所での導入率は約50%程度に留まっています。
電子カルテシステムの多機能化が進み、導入・運用が複雑化したことで、高額な導入費用や、運用できる人材が不足するなどが、電子カルテ導入が進まない原因となっていました。医療機関ごとに要望をヒアリングしながら、大量の機能の中から医療機関ごとにチューニングしていく、これまでの導入スタイルを見直し、最小限のメンテナンスおよびインストレーションで利用できる、新しいコンセプトの電子カルテが必要とされていました。
富士通Japan株式会社は「医療DX令和ビジョン2030」に対応した、診療所向けクラウド型電子カルテを2022年10月にリリースしました。「シンプル&ミニマム」、「インストレーションレス」、「ヒューマンセントリックデザイン」、「医事機能の統合」などデザインコンセプトを実現し、Good Design Award 2023 を受賞しました。本発表では、それらUI/UXのコンセプトを紹介するとともに、コンセプトを実現するための設計プロセスの変革についても紹介いたします。
「医療DX令和ビジョン2030」の構想では、電子カルテやレセコンの診療報酬に関わる機関部分は、国が共通モジュールとして提供していくこととなり、民間ベンダーは新しい価値の創出に開発余力を振り向けていくこととなります。200床未満の病院や診療所における新しい価値として、「患者サービスの向上」、「医療スタッフの働き方改革」、「地域包括ケアDX」について紹介いたします。