第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

2024年11月21日〜11月24日福岡国際会議場・福岡サンパレス
医療情報学連合大会
第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)

2024年11月21日〜11月24日福岡国際会議場・福岡サンパレス

[4-A-1-02]医療情報技師が情報セキュリティ人材として医療機関および地域で活躍することへの期待と課題

*谷川 琢海1,2(1. 北海道科学大学 保健医療学部、2. 日本医療情報学会 医療情報技師育成部会)
近年、インターネットに接続するサービスの活用が医療業界においても一般的になってきており、医療機関にとってサイバーセキュリティへの対応は必須の取り組みである。一方、医療機関を標的としたサイバー攻撃の被害も引き続き発生しており、患者の機微な情報を含む診療情報の安全管理は喫緊の課題である。このような状況下で医療DXを推進していくためには、堅固なサイバーセキュリティ体制の構築が不可欠であり、診療業務のワークフローや、医療機器との連携、法規制など、医療現場の実情を深く理解したセキュリティ人材の育成と配置が特に急務となっている。しかし、地域医療に目を向けると、医療機関では限られた経営資源のなかで人材を確保することに苦労しており、セキュリティ人材を確保していくことは容易ではない。
 日本医療情報学会医療情報技師育成部会では、医療情報の専門職として医療情報技師・上級医療情報技師の育成を設けており、これまでに2万5千人以上の医療情報技師を認定してきた。医療情報技師は、医療とIT双方の知識を有する専門家として、医療DXおよび情報セキュリティ対応の推進役として期待されている。これからの医療情報技師には、医療機関の枠に留まらず、地域の医療機関に対してセキュリティへの対応を支援するような役割も期待されるのではないだろうか。医療情報技師育成部会では、医療情報技師向けに生涯研修セミナーの実施やe-Learningコンテンツの作成を多く行っており、サイバーセキュリティやの対応や各部門の診療業務のワークフローなどの研修を受ける機会を設けている。また、各地域にある医療情報技師会ではそれぞれのコミュニティを形成しており、勉強会などの様々な企画の取り組みが行われている。本講演では医療情報技師の地域における活躍することに向けた期待や課題について議論していく。