[4-A-1-03]診療放射線技師が取り組む情報セキュリティ人材育成
*川眞田 実1(1. 大阪国際がんセンター)
少子高齢化と人口減少が進む社会において、質の高い医療やケアを効率的に提供するため、電子カルテ情報共有サービスや全国医療情報プラットフォームの構築など、医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されている。しかし、2022年に大阪府急性期医療センターで発生したサーバーインシデントのように、医療DXには情報セキュリティのリスクも伴う。このため、情報セキュリティの専門人材の確保が急務となっている。 本講演では、診療放射線技師の情報セキュリティに関する教育についての調査結果を報告するとともに、実際の業務取り組みについても紹介する。診療放射線技師国家試験の出題基準には、医療画像情報学と医療安全管理学が含まれており、診療放射線技師学校養成所指定規則により、医療画像情報学は6単位(全体の5.9%)、医療安全管理学は2単位(0.2%)と定められている。これにより、診療放射線技師には情報セキュリティ対策に関する一定の教育が行われ、ある程度の知識を持つと考えられる。 しかし、診療放射線技師の教育は検査や治療などの基礎医学分野が中心であり、情報セキュリティに関する教育は基礎的な内容に留まっている。そのため、診療放射線技師が情報セキュリティ担当者としての役割を果たすには、卒業後の実務経験を積んだ後に追加の教育や資格取得が必要と考えられる。追加の資格としては、医用画像情報専門技師が挙げられる。本講演では、専門技師としての活動や関連学会の取り組みについても紹介する。
