第23回認知神経リハビリテーション学会学術集会

第23回認知神経リハビリテーション学会学術集会

2023年10月7日〜10月8日東京大学 伊藤国際学術研究センター
一般社団法人認知神経リハビリテーション学会
第23回認知神経リハビリテーション学会学術集会

第23回認知神経リハビリテーション学会学術集会

2023年10月7日〜10月8日東京大学 伊藤国際学術研究センター

[CD-03]姿勢異常があるパーキンソン病患者が自律した姿勢修正を行うために- 自覚を考慮した認知神経リハビリテーション -

*青木 良磨1(1. 登戸内科・脳神経クリニック)
進行期パーキンソン病(PD)患者の特徴的な臨床症状の1つに姿勢異常がある.姿勢異常はADLやQOLの低下に影響を及ぼし,薬物療法に対する反応性に乏しいため,リハビリテーション(リハビリ)による治療効果が期待されている.
 姿勢異常のあるPD患者には,他者から指摘されると姿勢修正が可能であるが,生活場面では自ら姿勢を修正しないという特徴的な現象がある.この背景には自身の姿勢異常を知識では理解しているが,体感としては自覚しておらず,修正した姿勢を患者自身は垂直位に感じていないことが影響していると推察される.Mikamiらは前屈や側屈姿勢のあるPD患者の主観的な垂直肢位(SPV)を調査し,前屈や側屈姿勢のあるPD患者ではSPV自体が前屈や側屈方向に偏移していることを報告している(Mikami K, et al., 2017, 2020).すなわち,前屈や側屈のあるPD患者は,基準となる垂直位の認識が偏移しているために,姿勢の傾きを自覚しにくく,このことが適切な姿勢修正や姿勢保持を妨げる一因となっている可能性がある.
 また認知神経リハビリテーションでは行為の改善を目指すが,姿勢は行為の背景に含まれる要素であり,行為そのものではない.そのため患者がどのような時に姿勢の修正の必要性を感じ,その状況をどのように経験しているのかなど,姿勢が関わる患者の行為を評価,共有することも,PD患者の自律的な姿勢修正に必要な過程と考える.
 このように自覚を考慮しながら病態を解釈することが姿勢異常のあるPD患者のリハビリプログラム立案に重要な視点であり,患者自身が困っている行為の中で姿勢修正の必要性を学習することが自律した姿勢修正に繋がると考える.
 本臨床討議では自験例の紹介を通し,自覚というキーワードから,PD患者が自身の姿勢異常を自覚し自律的に修正するためにはどのような介入が有効かを検討する機会としたい.