[CD-07]表面的に自立していた高次脳機能障害患者の行為の回復への探索
*沖田 学1(1. 愛宕病院 脳神経センター ニューロリハビリテーション部門)
病棟生活を自立していた社交的な女性が行為のやりにくさから「何もやる気が起きない」と無力感を抱いた.この女性は非慣習的行為を学習できなかった.彼女の行為の学習要素に目を向けると,体性感覚表象を基に(解読)して形態や行為を構成して創る(産生)ことが困難であった.
約80歳のこの女性は脳損傷がなく特発性水頭症でL-P shuntの目的で入院していた.Shuntにより認知機能と歩行機能が改善した.しかし,普段と違う行為ができずに不便さを感じ「頭がおかしくなった」「何でこんなことしかわからん」と不安を訴えた.施設入所待ちの5週間でも改善されないため,再評価に同行することとなった.この症例提示は,再評価から施設へ退院した10日間のできごとである.
評価から観念運動失行と観念失行,技術的推論能力の障害,構成障害,視知覚障害(空間解析能力),記憶(想起)障害,分配性注意障害,左感覚運動麻痺を認めた.特異的な症状として,昔から着ているカーディガンを着た後にだけ新規のYシャツを着用できた.また,自主練習を指導すると大まかに実施できるが教示したように身体を動かせなかった.
まず,対象への注視分析能力を疑った.対象への視線注視は正確で,視空間の狭小も無かった.さらに,視知覚を確認すると模様があると知覚できない視空間解析能力の低下を認め,模写や描画も困難であった.そして,行為の分析では,身体の形態を体性感覚で想像して解読することや産出することが苦手であった.また,単純な運動を模倣産出できたが複数関節の運動の模倣産出が不適であった.道具操作能力では機械的問題解決能力は良好だが,技術的推論能力は苦手であった.
学習の特徴として即時的学習では,視覚提示とともに身体の直接介助など具体的に行うと比較的実施できた.しかし,新規性のあることは時間を要した.
演者の力不足のため治療戦略に難渋した.そのため,本演題では回復の道筋を示すことはできない.しかし,特徴的なVTRを基に,どのような治療戦略があるのか回復の探索を皆さんと議論したいと考えている.
約80歳のこの女性は脳損傷がなく特発性水頭症でL-P shuntの目的で入院していた.Shuntにより認知機能と歩行機能が改善した.しかし,普段と違う行為ができずに不便さを感じ「頭がおかしくなった」「何でこんなことしかわからん」と不安を訴えた.施設入所待ちの5週間でも改善されないため,再評価に同行することとなった.この症例提示は,再評価から施設へ退院した10日間のできごとである.
評価から観念運動失行と観念失行,技術的推論能力の障害,構成障害,視知覚障害(空間解析能力),記憶(想起)障害,分配性注意障害,左感覚運動麻痺を認めた.特異的な症状として,昔から着ているカーディガンを着た後にだけ新規のYシャツを着用できた.また,自主練習を指導すると大まかに実施できるが教示したように身体を動かせなかった.
まず,対象への注視分析能力を疑った.対象への視線注視は正確で,視空間の狭小も無かった.さらに,視知覚を確認すると模様があると知覚できない視空間解析能力の低下を認め,模写や描画も困難であった.そして,行為の分析では,身体の形態を体性感覚で想像して解読することや産出することが苦手であった.また,単純な運動を模倣産出できたが複数関節の運動の模倣産出が不適であった.道具操作能力では機械的問題解決能力は良好だが,技術的推論能力は苦手であった.
学習の特徴として即時的学習では,視覚提示とともに身体の直接介助など具体的に行うと比較的実施できた.しかし,新規性のあることは時間を要した.
演者の力不足のため治療戦略に難渋した.そのため,本演題では回復の道筋を示すことはできない.しかし,特徴的なVTRを基に,どのような治療戦略があるのか回復の探索を皆さんと議論したいと考えている.
