第23回認知神経リハビリテーション学会学術集会

第23回認知神経リハビリテーション学会学術集会

2023年10月7日〜10月8日東京大学 伊藤国際学術研究センター
一般社団法人認知神経リハビリテーション学会
第23回認知神経リハビリテーション学会学術集会

第23回認知神経リハビリテーション学会学術集会

2023年10月7日〜10月8日東京大学 伊藤国際学術研究センター

[O-05]変形性膝関節症保存例を対象としたTimed Up and Go testの運動イメージ評価における妥当性と信頼性

*高石 翔1,2、森下 元賀3(1. 川田整形外科リハビリテーション部、2. 吉備国際大学大学院通信制保健科学研究科理学療法学専攻、3. 令和健康科学大学リハビリテーション学部理学療法学科)
【はじめに】
 変形性膝関節症(膝OA)の痛みが長期化すると,求心性情報が入力される大脳皮質が再編成され,運動イメージ想起能力が低下することで,疼痛が増悪しうる.膝OA患者における実際の動作をイメージする能力と疼痛との関連性が示唆されている一方,運動イメージ評価の妥当性や信頼性は検討されていない.
 本研究では,Timed Up and Go test(TUG)の運動イメージ評価における基準関連妥当性と検者内信頼性を検討した.

【方法】
 2022年5月から8月の間に,膝OAと診断されて手術目的で入院した者のうち,研究目的・内容の理解困難,データ不備,研究参加に関して同意を得られなかった者を除外した29名を対象とした.評価には,TUGと10m歩行の心的時間であるimagined TUG(iTUG)とimagined 10m(i10m),実際の動作と心的時間との所要時間差の絶対値であるiTUG-gapとi10m-gap,Visual Analogue Scaleを用いたiTUGの鮮明性,Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire-10(KVIQ-10)を採用した.
 統計ではSpearmanの相関係数により,iTUG関連評価と,i10m関連評価およびKVIQ-10との基準関連妥当性を検討した.iTUG関連評価の信頼性を検討するために,検者内信頼性(ICC1,1),Bland-Altman分析,Minimal Detectable Change(MDC95)を用いた.解析にはR4.1.2を用い,有意水準は5%とした.

【結果】
 iTUGとi10m,iTUG-gapとi10m-gap,iTUG鮮明性とKVIQ-10との間に有意な相関があった(r=0.42,r=0.51,r=0.48).iTUG,iTUG-gap,iTUG鮮明性のICC(1,1)は各々0.24,0.76,0.73だった.iTUG鮮明性のみ加算誤差を認めた(誤差許容範囲-23.3~10.4mm).iTUG,iTUG-gapの MDC95は各々6.5秒,4.5秒だった.

【考察】
 iTUG-gapは運動イメージ評価として妥当であり,測定の信頼性が高い.

【倫理的配慮(説明と同意)】
 本研究は所属機関内の倫理審査委員会で承認を得て実施された(承認番号22-04).対象者には研究の目的と内容を説明し,同意書を作成した.