第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

2018年7月5日〜7月7日パシフィコ横浜
日本小児循環器学会総会・学術集会
第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

2018年7月5日〜7月7日パシフィコ横浜

[I-EL02-02]冠動脈ステント最前線

中澤 学(東海大学付属病院 循環器内科)

キーワード:

冠動脈、ステント、病理

冠動脈インターベンションの領域は今日に至るまで著しい発展を遂げてきた。
冠動脈狭窄に対してバルーン拡張のみでは、冠動脈解離に伴う急性冠閉塞、リコイルによる再狭窄などが問題となり、ステンレススティールなどで作られた冠動脈ステントが開発された。冠動脈ステントによって冠動脈の解離や遠隔期の血管のShrink、すなわちNegative remodelingは解決したが、平滑筋細胞を中心とする新生内膜増殖が原因で再狭窄率は30%と依然として高かった。その後、薬剤溶出ステントが開発され、再狭窄は劇的に減少したが、血管治癒過程の障害に伴う遅発性血栓症が問題となった。このため抗血小板剤2剤併用療法を長期間行うなどの対処が必要であった。
現在薬剤溶出ステントはさまざまな改良がなされ、遅発性血栓症のリスクも減少した。
本教育講演ではステントの進化の歴史を血管病理学の観点から解説したい。