第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

2018年7月5日〜7月7日パシフィコ横浜
日本小児循環器学会総会・学術集会
第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

2018年7月5日〜7月7日パシフィコ横浜

[II-JCCJS-01]体格的成長と長期治療計画に対応したステント留置術

金 成海(静岡県立こども病院 循環器科)

キーワード:

stent、catheter intervention、somatic growth

 小児の大血管(肺動脈・大動脈)に金属ステント留置を計画する際,成人期までの体格的成長に合わせて再拡張可能なlarge slot以上を選択するのが原則となる.しかし,現時点でわが国で使用可能なlarge slot以上のステントは,ステンレススチール製のPalmazステントに限られている.シースサイズや可塑性の問題から新生児・乳幼児への留置手技の難易度は高く,medium slot以下の選択を余儀なくされる状況も稀ではない.一方,複雑心疾患を合併する新生児・乳児においては,大血管以外に,動脈管や短絡血管,肺静脈,時には心腔内においてステント留置の対象になることも多い.精緻な画像診断により病変を分析し,全身状態に応じて適切な種類,サイズ,アプローチ方法を選択し,再拡張手技,外科的除去を計画に入れることで有効な治療を提供しうる.そのためには,心臓外科のみならず,多職種との協議も必要となる.本講演では,体格的成長と長期治療計画を見据えた多彩なステント留置術の効果と注意点について概説する.