[II-CBCJS-02]小児心筋症の原因診断における心筋生検の適応と役割
○武田 充人1, 山澤 弘州1, 泉 岳1, 佐々木 理1, 谷口 宏太1, 辻岡 孝郎1, 藤本 隆憲1, 永井 礼子1(1.北海道大学病院 小児科)
キーワード:
心筋症、心筋生検、心筋病理
小児期発症の心筋症は、1)先天性代謝異常、2)神経筋疾患、3)奇形症候群に合併する二次性心筋症および、4)サルコメア変異による特発性心筋症が原因と考えられているが、心筋症の表現型(DCM, HCM, RCM, LVNC)のみで鑑別することは困難である。多くは遺伝子異常を背景として心筋の形態や機能異常をきたすことが知られており、今後遺伝子検査および心筋病理、酵素活性などの組織生化学検査は原因検索に大きな役割を果たすものと思われる。当院では特にHCM, RCM症例において原因検索目的で心内膜心筋生検を施行しているが、光顕所見のみから診断できた例はほとんどなく、電顕や組織生化学検査で診断に導いた例を経験している。今回、当院で原因診断が可能であった小児心筋症において病理像(光顕、電顕)および組織生化学検査を提示し、生検組織から原因診断に導くために必要な準備と基本的な病理像(光顕、電顕)について提示し、これからの小児心筋生検の適応とその役割について考察したので報告する。
