[I-YB02-5]3Dプリンティングを応用した超軟質精密心臓レプリカによる複雑先天性心疾患の手術支援のための医師主導治験
○白石 公1, 黒嵜 健一1, 帆足 孝也1, 鈴木 孝明2, 犬塚 亮3, 新川 武史4, 猪飼 秋夫5, 芳村 直樹6, 山岸 正明7, 笠原 真悟8, 市川 肇1(1.国立循環器病研究センター 教育推進部・小児循環器内科, 2.埼玉医科大学国際医療センター, 3.東京大学医学部, 4.東京女子医科大学, 5.静岡県立こども病院, 6.富山大学医学部, 7.京都府立医科大学, 8.岡山大学医学部)
キーワード:
3D printing、complicated congenital heart disease、physician-led clinical trail
[背景]我々は複雑先天性心疾患の手術支援を目的に、3Dプリンティング技術を応用した超軟質精密心臓レプリカを開発し、その有用性を報告してきた。今回はその有用性を客観的に検証し、管理医療機器として保険償還をされることを目的に、PMDA指導の元に医師主導治験を実施した。[対象と方法] 複雑先天性心疾患の8疾患群(DORV, dTGA, ccTGA, CoA/IAA, multiple VSD, SV (u-AVSD含む), TOF及びPA/VSD, HLHSおよび類縁疾患)のうち、心臓大血管の構築が極めて複雑で、心臓レプリカを用いた形態診断および手術シミュレーションが必要な15歳未満の20症例を対象とした。緊急手術例は除外した。主要評価項目は「実施施設での術後Likert Scale5段階評価において、Essentialと評価された症例の割合(有用割合)の95%信頼区間の下限が閾値有用割合が30%以上」とした。[結果] 20例中Essentialと評価された症例は13例で、有効率は65.0%(95%信頼区間:40.8~84.6%)であった。Essentialと評価された症例数は、DORVが6/6、SVが3/3、dTGAが1/2、TOF及びPA/VSDが2/4、HLHSが1/5であった(mVSDとCoA/IAAはエントリなし)。有効率の95%信頼区間の下限は40.8%で、本治験機器は有用と判断した。DORVでは心室内ルートの作成において、右室の内腔確保と導管留置の手技を術前に具体的に確認できた。SVではFontan手術における導管のデザインと切開/縫合部位の決定で最適な方法が選択できた。dTGA ではVSDの縫合線、パッチの形状、冠動脈移植の可否において有用であった。 一方HLHSではMSCTなど既存の画像情報に比べて心臓レプリカの優位性は少なかった。[結論] 13例のEssentialと評価された症例では、治験機器は既存の画像診断では得られなかった新たな医療情報を医師に提供することができ、患者の血行動態に応じた適切な術式決定を可能にした。今後は本結果と1年後の予後調査を持って、管理医療機器及び保険償還の申請に向けて進める予定である。
