[I-SY01-03]当院におけるHLHSの治療戦略;両側PAB後のRV-PA shunt と肺動脈の発育の視点から
○大河 秀行1, 櫻井 一1,2, 野中 利通1, 大沢 拓哉1, 山本 隆平1, 石田 真一1, 加藤 葵1, 前野 元樹1, 大橋 直樹3, 西川 浩3, 吉田 修一朗3(1.JCHO中京病院 心臓血管外科, 2.名古屋大学心臓外科, 3.JCHO中京病院 小児循環器科)
キーワード:
HLHS、RV-PA shunt、PA development
【目的】近年のHLHSの治療成績の向上は目覚しいものがあり,これは術式と時期を含めた治療戦略が大きく寄与している。当院では,primary Norwood(NWD)から両側PAB(B-PAB)を挟んだNWD + BDGへ,そしてrapid 2 stage NWDへと変遷してきた。また,NWD時のshuntも,Blalock-Taussig shunt(BTS)からRV-PA shuntへと基本術式を変更し,術後管理も肺血管はlow resistanceかつlow flowとなるよう留意している。そのような工夫によりNWDの入院死亡10%未満,Fontan到達率も70%程度へと成績も改善した。一方で,長期的には肺動脈の発育は重要で,RV-PA shuntのデザインとの関連を本研究では後方視的に検討した。【対象と方法】2015年1月から2022年12月までに,rapid 2 stage NWDを施行しBDGに到達した連続24例のうち,カテーテル検査なしでBDGを施行した1例,RV-PA shuntを右側に回した2例を除外し21例を対象とした。2017年まではDistaflo(D群8例)を,2018年以降はGore-Tex graft(G群13例)を利用している。RV-PA shuntの中枢側は全てDunk法,遠位側はDistafloはoriginalの形状を利用して,Gore-Tex graftは帽子のつば状もしくはラッパ状にcuffを作成して吻合している。【結果】両群間にBDG前のPAI,NWD後のPA への介入の有無に有意差は認めなかった。RV-PA shuntと左右PAとの角度とPAへの介入の有無にも関連は見出せなかった。全体のPAIも114.9 ± 30.5と低かった。【結論】肺動脈の発育は両群とも細めで,low flowの術後管理の影響が大きいことが示唆された。安全性とのtrade offではあるが,BDG前にRV-PA shuntのclipを弱める等の処置の対策も考えても良いかもしれない。
