第51回日本理学療法学術大会

第51回日本理学療法学術大会

2016年5月27日〜5月29日札幌コンベンションセンター
公益社団法人 日本理学療法士協会
第51回日本理学療法学術大会

第51回日本理学療法学術大会

2016年5月27日〜5月29日札幌コンベンションセンター

[KS1042-1]こどもからおとなへ,変わることと変わらないこと~小児科医療が理学療法士に求めること~

小倉加恵子(森之宮病院小児神経科)
こどもの特性は,成長(形態的変化)と発達(機能的変化)するということである。体や器官の発育とともに様々な機能を獲得していき,心身ともに著しい変化がみられる。こどもが成長・発達を得る過程において,家庭での養育,保育,教育が中心的な役割を果たす。小児科医療はこどもの心身の問題が生じた時に,その解決のために医術をもって関わっていく立場にあり,小児科医療に携わる者は,こどもの健やかな発達・発育と社会自立に向けた一支援者といえる。
こどもは「変わる」ということが前提の小児科医療であるが,いただいた演題に準じて「変わらない」ことをあえて挙げるならば,慢性疾病や障害のある児の成人移行の課題を挙げたい。近年の医療技術の進歩によって致死的疾患の救命率向上や難治性疾患の長命化が得られるようになり,疾病や障害をもっておとなになるこどもたちが増えてきた。脳性麻痺児は脳性麻痺の成人となり,発達障害児は発達障害のある成人となる。病気や障害を抱えながら,彼・彼女らにとっての健康状態を維持し,自立に向けた様々な機能を獲得していかなくてはならない。しかし,通院・入院で医療によって通学が減り,学習や社会経験が不足することは避けられない。理学療法にあたっては,治療を通じて発達・発育を促し日常生活機能を高めるだけでなく,こどもたちの社会参加を促すことにも注意を向けていただきたい。家庭や教育機関と十分に連携し,運動機能はもちろん,認知発達などを含めた個別の特性を多角的にとらえ,家庭や学校といった日々の生活の場を想定した介入を行い,子どもの興味や活動の場を広げていくことで,自立に向けた歩みをリハビリチームで援助していくことが望まれる。