第17回日本薬局学会学術総会

第17回日本薬局学会学術総会

2023年10月8日〜10月9日名古屋国際会議場
日本薬局学会学術総会
第17回日本薬局学会学術総会

第17回日本薬局学会学術総会

2023年10月8日〜10月9日名古屋国際会議場

[SY4-2]高齢者施設における薬剤管理と薬剤師の介入

山根 孝太(アイングループ 株式会社ファーマシィ 広島中央エリア エリア長)
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 2022年10月現在、日本の高齢化率は29.0%、最も高齢化の進んだ地区では38.6%となっている。それに伴い高齢者施設の需要も高まり、厚生労働省の令和3年社会福祉施設等調査では有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅以外)は全国で16,724 施設となり、前年に比べ768 施設、4.8%増加している。調剤薬局でも高齢者施設に対応するケースはあるが、ひとえに高齢者施設と言っても、公的施設であるケアハウス、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設等から民間施設の介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等サービスの提供体制は様々あり、薬局のサービス提供も多種多様な対応を求められている。
 高齢者施設への入居の条件、費用相場は様々だが、薬局で対応した際の報酬は、特別養護老人ホームでは服薬管理指導料45点、その他のサービス付き高齢者施設等では居宅療養管理指導料(単一建物居住者10人以上)の341点だが、どれも明確に薬局の対応を定義していない。処方せんを受け付けた際の薬局の対応は、一般的に調剤、配達、配薬、訪問診療への同行等が考えられるが、施設への配達・服薬指導のみに留まる薬局もあれば、訪問診療に同行し、医療従事者間でのカンファレンスでの処方設計・処方提案にまでかかわるケースもある。それらの対応は同一グループの高齢者施設、同一グループのチェーン薬局でも統一されていないのが実情である。
 カンファレンスでの処方設計や減薬提案などは、訪問診療への同行や日頃のバイタルの測定など往診医や施設介護者との距離が近いというメリット活かした薬剤師の職能を十二分に発揮した高齢者施設ならではの取り組みであると言える。一方で、薬局から提供されるサービスのメニューが定まっていないがゆえに施設から過剰なサービスを要求されるケースも少なくない。一包化包装への細かな印字から色付きのライン引き、同一服用時点のホッチキス止めに始まり、頻回の臨時薬の配薬やサプリメントの配薬など、対物業務に追われることも多く、対人業務を重視したい薬局の大きな負担となっている場合もある。
 薬剤師として、施設や患者に対して、どこまでの業務を担うのか判断が難しいところであるが、高齢者施設の需要が高まっている現状を鑑みると、薬剤師の新たな職能を発揮する機会とも考える。本シンポジウムが薬局薬剤師の高齢者施設への対応のスタンダードを考えるきっかけとなれば幸いである。