Atomic Energy Society of Japan

総合資源エネルギー調査会（地層処分技術WG）が平成29年4月に取りまとめた地層処分に関する地域の科学的な特性の提示に係る要件・基準の検討結果では、好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域に関する考え方が示され、沿岸部を輸送面でも好ましい地域と整理している。このような整理に至る沿岸部の特性や技術的対応の可能性については、別途設置された研究会で議論が進められ、更なる技術の高度化に向けて取り組むべき課題等も整理された。
このような背景のもと、平成28～30年度の資源エネルギー庁の委託事業の一環として、沿岸部における処分システムの構築を念頭に置いた工学技術の高度化に向けて、塩水系地下水環境下での人工バリア材料等に関する特性データの拡充や処分システムの成立性の提示に係る手法の検討に取り組んだ。本稿では全体概要として、取り組んだ個々の課題設定の考え方や実施方針について報告する。