Presentation Information
[T12-O-3]Extracting data structure from microfossil images using machine learning: Toward development of data-driven ichthyolith biostratigraphy
*Kazuhide Mimura1, Kentaro Nakamura2,3, Kazutaka Yasukawa2 (1. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 2. Univ. Tokyo, 3. Chiba Institute of Technology)
Keywords:
Microfossils,Biostratigraphy,Machine learning,Ichthyolith
機械学習を用いた画像認識技術は、自動運転や顔認証などに欠かせないツールとして近年急速に発展している。この恩恵を受けて、地球科学分野でも画像認識によって研究を効率化する動きが進んでいる [e.g. 1]。微化石観察においては、広範囲を一挙に撮影できる電動ステージ付きの顕微鏡やスライドスキャナーと機械学習を組み合わせることで、大量の微化石を効率的に観察できる技術が既に実用化されている [2–6]。
しかしながら、上記技術の導入によって微化石研究の「効率化」は進展しているものの、学術体系の深化に向けては未だ課題が残されている。講演者らの研究を含むほとんどの先行研究では、取得した微化石画像の分類やそれらの地質学的解釈(年代決定・堆積環境推定等)は、機械学習技術が台頭する以前に確立された体系に基づいて議論されてきた。これは研究の最初のステップとしては妥当である一方、機械学習技術のポテンシャルを最大限に活用することでさらなる研究の発展につながる可能性を残している。
本研究では、微化石画像群に内在するデータ構造を機械学習技術によって抽出する手法の開発を目指した。本研究の検討対象として、魚類の歯や鱗の微化石「イクチオリス (ichthyolith)」を選択した。イクチオリスは堆積物中で分解を受けにくいリン酸カルシウムで構成されるため、他の微化石がほとんど産出しない遠洋性粘土の年代を決定できるツールとして1970年代から研究がされてきた [7]。しかしながら、既存の層序体系では制約できる年代の解像度が他の微化石と比べて粗いという課題が存在していた。
予察的な検討の結果、微化石画像群の持つデータ構造を2次元平面に可視化することができ、それが化石種の形態的特徴と概ね対応する傾向が確認された。今後は層序によるデータ分布の変化を検討することで、データ駆動型の微化石層序の開発につながる可能性があると考えている。
【引用文献】[1] Mimura et al. (2023) IEEE-JSTARS, 16, 2703-2710; [2] Itaki et al. (2020) Sci. Rep., 10, 21136; [3] Tetard et al. (2020) Clim. Past, 1–23; [4] Carlsson et al. (2022) J. Micropal., 41, 165–182; [5] Mimura et al. (2024) Earth Space Sci., 11, e2023EA003122; [6] Mimura et al. (2025) Paleoceanogr. Paleoclim., 40, e2024PA004938; [7] Doyle and Riedel (1979) Micropaleontology, 25, 337–364
しかしながら、上記技術の導入によって微化石研究の「効率化」は進展しているものの、学術体系の深化に向けては未だ課題が残されている。講演者らの研究を含むほとんどの先行研究では、取得した微化石画像の分類やそれらの地質学的解釈(年代決定・堆積環境推定等)は、機械学習技術が台頭する以前に確立された体系に基づいて議論されてきた。これは研究の最初のステップとしては妥当である一方、機械学習技術のポテンシャルを最大限に活用することでさらなる研究の発展につながる可能性を残している。
本研究では、微化石画像群に内在するデータ構造を機械学習技術によって抽出する手法の開発を目指した。本研究の検討対象として、魚類の歯や鱗の微化石「イクチオリス (ichthyolith)」を選択した。イクチオリスは堆積物中で分解を受けにくいリン酸カルシウムで構成されるため、他の微化石がほとんど産出しない遠洋性粘土の年代を決定できるツールとして1970年代から研究がされてきた [7]。しかしながら、既存の層序体系では制約できる年代の解像度が他の微化石と比べて粗いという課題が存在していた。
予察的な検討の結果、微化石画像群の持つデータ構造を2次元平面に可視化することができ、それが化石種の形態的特徴と概ね対応する傾向が確認された。今後は層序によるデータ分布の変化を検討することで、データ駆動型の微化石層序の開発につながる可能性があると考えている。
【引用文献】[1] Mimura et al. (2023) IEEE-JSTARS, 16, 2703-2710; [2] Itaki et al. (2020) Sci. Rep., 10, 21136; [3] Tetard et al. (2020) Clim. Past, 1–23; [4] Carlsson et al. (2022) J. Micropal., 41, 165–182; [5] Mimura et al. (2024) Earth Space Sci., 11, e2023EA003122; [6] Mimura et al. (2025) Paleoceanogr. Paleoclim., 40, e2024PA004938; [7] Doyle and Riedel (1979) Micropaleontology, 25, 337–364
